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僕と魔法と黒猫と  作者: 幸乃兎莉
第一章
7/12

奮闘の末

おはようございます。遅れてすみません!・゜・(ノД`;)・゜・

(よっしゃ! これなら勝てるぞ!!)


 僕は内心でガッツボーズを決め、次の攻撃に移る為に、バレーボールを引き寄せようとした。縄跳びで結び付けていたバレーボールが雑巾と共にスルッとすっぽ抜けた。結果僕の必殺鉄球もどきは、ただ縄跳びへ早変わりした。


勢いよく引き寄せた縄跳びは、僕の顔面にクリーンヒットした。


「いってぇ!!」と言いながら、僕は顔を抑える。


ひとまず魚の魔物に対して有効な手段になる感覚はあった。いや、実際に有効手段なのかは明確ではないのだが、体積を減らす事が出来ただけでも主格だ。今も少しだけだが体積が減ったままだ。予備の鉄球もどきは後二個ある。


(落ち着いて当てていけば大丈夫だ。)


 ただの縄跳びを放り投げ、魚の魔物へ視線を向けると、また僕に向けて水鉄砲を発射してきそうな雰囲気がした。なんとなくだが、そう感じた。


 ただの直観であったが、咄嗟に僕は横に倒れるように飛んだ。すると、直感があたり僕が居た場所に水鉄砲が飛んできた。今回は前転して体制を立て直しながら、鉄球もどきバスケットボールバージョンを手に取った。


 立ち上がると僕はさっきと同じ要領で、鉄球もどきバスケットボールバージョンをグルグルと回した。バレーボールより重いバスケットボールは遠心力でよく回る。


 よく回りすぎて、スポッとバスケットボールがすっぽ抜けた。


――勘弁してくれよ……


 すっぽ抜けたバスケットボールは僕の真後ろに飛んでいき、壁にぶつかってバウンドして、僕のお尻に直撃した。衝撃で僕は前に倒れた。……なんてこったい。 


 一人勝手に自爆した僕を、魚の魔物は待ってくれるはずもなく、僕に向かって水鉄砲を撃ってきた。僕は転がるように避け、最後の鉄球もどきドッチボールバージョンを手に取った。


 くそ、これを外したら、ほとんど打つ手がなくなる。この鉄球もどきは欠陥品である事は二度のすっぽ抜けで理解した。しかし、今の所この目の前にいる魚の魔物に有効ではないかと判断できるものはこれくらいしかない。なんとかして、これで倒さないと……逆に僕がやられる。


 遠心力を利用して回しすぎると、前回と同じように攻撃する前にすっぽ抜ける可能性がある。二の轍は踏まないよう、ドッチボールを回さずにそのまま投げた。流石に遠心力を付けて飛ばすよりは勢いはないが、魚の魔物に向かって飛んでいった。


 ドッチボールは魚の魔物をかすめて飛んでいった。ど真ん中を狙ったつもりが、狙いを外してしまったようだ。しかし、また多少ではあるが水の塊の体積を減らす事が出来た。……気がする。


 すぐにドッチボールを手繰り寄せると、今回はすっぽ抜ける事もなく無事に僕の手元に戻ってきた。そのまま2回目の攻撃を放つと同時に魚の魔物は水鉄砲を撃ってきた。


 水鉄砲は僕が投げたドッチボールが水にぶつかると勢いをなくし、を呑み込み、そのまま僕に向かって襲い掛かってきた。


 咄嗟にしゃがみこむと、僕の後方から爆音が聞こえる。そーっと後ろを見てみると、そこには破壊された壁が見えた。……一歩間違えたらやばかった。


 有効手段となる鉄球はもうない。頼りになる相棒を失った消失感は半端がない。だが、こんな所で諦める訳にはいかない。


 僕は転げたバレーボールの籠の近くまで走りだした。そして籠の近くに来ると、また水鉄砲が飛んできた。


 咄嗟に転がりそれを回避すると同時に、僕はネットを手に取った。そして、そのまま魚の魔物に向かって走った。


「こいつで、捕獲してやる!そりゃぁ!!!」


 そのままネットを魚の魔物に掛けて、僕は前に転がった。


 咄嗟に体を起こし、魚の魔物に目をやると、ネットに絡まって抜け出せないでいた。更にはネットの重さで魚の魔物は地面に落ちていたのだ。


「……あれ?もしかしてかなり有効な手段だったのかな? っと、そんな事より!」


 一瞬唖然としながらも、咄嗟に次の攻撃にうつらなければと思い至り、また籠の近くまで向かった。


 次に使う物は勿論マットだ。さっき雑巾であそこまで体積を減らしたんだから、マットで水分を吸収してやれば勝てるに違いない!


 僕はマットを持ってくると、地面に転がりネットからはい出そうとしている魚の魔物に向かってマットを投げた。……その瞬間、マットが僕の方に向かって盛り上がりベクトルを変えて僕の方に飛んできた。


 マットが視界を遮っていた為、僕の知る由ではなかったのだが、魚の魔物が水鉄砲を撃ち、それがネットを突き破ってマットを押し返していたのだ。


 僕が理解するよりも、何かを思考するよりも早く水鉄砲が僕に当たった。


 ネットやマットに衝撃を吸収された水鉄砲であったが、僕を吹き飛ばす程度の威力はあった。僕はそのまま体育館の壁へ激突し、意識を手放した……

来週もよろしくお願いします!

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