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私は彼の隣にいる夢を見る

全部で三章の予定です。

依頼主視点で話は進んでいきますが、主人公は星の魔女となっています。

よろしくお願いします。



彼と出会ったのは去年の春のことです。



彼の場所だけ何故か日光に当たっていて、その時の横顔はとても綺麗で思わず見惚れてしまいました。男の人に見惚れることは初めてで、最初は戸惑いましたが、ある時気がついたんです。



……これが恋だって……。



私は彼が来た時は、思わず彼ばかりを目で追っていました。自分は盲目な恋に落ちないって思っていたのに、いざ恋すれば私は彼しか見えなくなったんです。


かっこいい人がいれば、かっこいいなと前は思っていたんです。ですが、彼に出会ってからは彼のことばかりが脳裏に浮かんで忘れられなくて。

容姿が群を抜いていい訳でもないのに、どうしてこんなに好きになってしまったのか、わからなくて、そんな自分が段々怖くなって行って。


彼に盲目に恋している訳ではなく、恋に恋してるんじゃないかってそう思い始めてしまい……、そして今魔女の国、湖の国にある星の魔女の店に急に有給を取って来てしまった訳です。


この世界には魔法の国、遺跡の国、科学の国、魔女の国、剣士の国の五つの国があります。剣士の国と魔法の国はここ二世紀前から戦争が絶えませんが、それ以外の国は争いごとなく平和に過ごせている人が多いです。


魔女の国、湖の国には魔女の国と言われている通り魔女がいます。


星の魔女とは……痛っ! 誰ですか、私の頭を叩いたのは!

今でも恋馬鹿になっているんですから、これ以上馬鹿になったらどうするんです?


「知らないわ、そんなの。

それより、魔女であっても何かを作ることはね、時間が掛かるものなのよ。

さっさと用件を話しなさい。

魔女について聞きたかったら、だいふくにでも聞いて頂戴よ。私は忙しいの。

あなたと想い人の出会った経緯はわかったわ、……ならあなたの望みは何?」


……心を読まないで欲しいです……。

星の魔女クラスの魔女になれば、人の心を読めるようになるのでしょうか……。

まあ、いいです。

後で、だいふくくんにこれも質問することにしましょう。どうして人の心を読めるのか、気になりますしね。


用件は素早く済ませましょう!

今は恋よりも、探究心の方が強いです!

……彼が視界に映らないところに来ていますから。


「その人を諦めるために夢でも良いから隣で本を読んでみたい、それが私の望みです。最早、魔女の薬に頼らなければ引き返せないところまで、私は夢中になってしまったようです。

実際に隣で読むことは出来ます。ですがそれでは想いが強くなるだけで、きっと私はあの人を諦めることは難しくなるでしょう」


……相手に対する想いが強くなったその想いに、怖くなってしまったり私は星の魔女である彼女を頼ってしまったのです……。


このままだと、想いが強すぎて彼を追いかけ続けてしまいそうになってしまうとそう感じたから、あの人に不快感を味あわせる前に出来るならこの恋を諦めたいとそう思ったから。



そんな私を見て、星の魔女は怪訝そうな顔を隠さず、大きなため息を溢した。



そして、

「どうして好きな人を簡単に諦めようとするのか、私には理解出来ないわね。

一途なのは悪いことじゃないもの。

まあ、いいわ。私の役目は依頼主の依頼に沿ったものを作るだけだもの、あなたが諦められようと諦められまいと関係ないの。

あなたが依頼するその薬、星の魔女である私が作って差し上げましょう」

そう言って、彼女はさっさと奥の方へと消え去ってしまいました。


無用心ね、客でしかない私がもし、悪人だったとしたら店の物を盗んでいたかもしれないのにそれでも良いんですかね?


「大丈夫にょん!

リィは人を見る目があるから、悪用するような人に薬を渡したりはしないにょん!

それより、冷める前にお茶飲むにょ〜、リィの淹れた紅茶は美味しいからあったかいうちに飲んだ方が良いにょ」


気がついたら私の膝の上にまるで雪のように真っ白な毛をした、とてももふもふした生き物が乗っていました。


……可愛すぎます!!


あともう少しで可愛さのあまり、鼻血を出していましたよ。危ない、危ない。

喋るってことは、ここの星の魔女の使い魔なのでしょうか。……つまり、この白い狐がだいふくくんと言うことでしょうか?



「そうだにょん!」



ここでは使い魔まで、私の心を読まれてしまうのでしょうか……。それとも、私の心は読まれやすい体質とか、そう言うのですかね……?



「それは違うにょん。

星の魔女は占いや夢見、未来予知の出来る鏡の魔女と、薬やお菓子、特別な植物の栽培や香水を作れる物作りの魔女の二つの力を持つのが星の魔女だにょん。

鏡の魔女としてのリィは夢見の力が強いにょん、だから今日の依頼も正夢として見てるにょん。まあ、依頼がくるたびに夢見を見ている訳ではないから、その辺は勘違いしないでにょ!

つまりだにょ、その夢をメモに取って、その夢を前提に話しているからリィやだいふくに心が読まれてるように感じるだけにょ」


そうなんですか……、と言うか私さっきから全く声で話してないですね……。


「そっちの方が良いにょ!

魔女の国に住む魔女全てが魔女の会に所属している訳ではないにょん。

司書さんだからわかるにょん? 童話の世界にいる悪い魔女さんはいない訳ではないにょん、だからあまり声は出さない方が良いにょ。

司書さんはあまり強い力持ってないにょん、この店には強い力を持つ客ばかりだにょん。その人達は常連さんになってるけど、あまり司書さんは一人で来ることはオススメしないにょ。だから、今度来る時は強い人と来るといいにょん」


……良い魔女ばかりがいるんだとばかり思っていました。童話でいるような悪い魔女さんもいるんですね……。


だいふくくんの話はとても興味深いです。






読んでくださり、ありがとうございます。

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