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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

くされ総長の青春

作者: いし

「王道学園いくやつこの指とーまれ!」


はぁ?と疑問を浮かべつつも素早く指をつかんできた奴らに、俺は笑った。



王道学園。

それは、BでLな世界では有名で基本的な学園である。

お金持ちが通い、全寮制であり、ホモばっかで、顔のいい奴が優遇される学園である。

詳しくは、調べてくれ。

ただし、親に聞いて気まずい思いをするのは自己責任だ。


そんな夢とホモがいっぱいな学園に、去年の春から俺は通っている。


俺は、ホモではない。

しかし腐男子だ。

君たちのお仲間である。

もちろん君たちの推測通り、実際に王道学園と言える学園があることを知って、

流れるように入学して、日々にやにやしながら過ごしている。


そして、話に良くあるように、王道的な転入生が今年の5月に1年に入学してきた。

その話を聞いた時、隠れ腐男子な俺は、部屋に帰ってからキター!と叫びのけぞり頭をぶつけた。

俺の残念さ具合は横に置いておくが。


明るく元気で純粋(?)な王道くんに、イケメンたちがひかれているのを横目で観察する日々が始まると思うが、そんな俺は物語では巻き込まれたり、他の奴らに絡まれたりするかも知れない。

良くある話だ。

ちなみに、俺自身の容姿は中の上だろといって、いやお前は中の中か下と言われるくらいだ。

つまり、埋没する感じ。

よくある、平凡受けのジャンルだと思うが、俺はひと味違う。


なんたって俺は、総長だからな!

‥‥‥廚二ではないぞ。



そうあれは、中学生の時。

俺はBでLな世界と出会い、世界が輝いていたときだ。

不良モノにはまり、所謂チームに入り近くでにやにやしようとしたが、

思っていたよりむさいしめんどいしで、ただ近くをふらふらし観察している日々を送っていた。

あ、なんかこの時点でめっちゃ廚二だ。

今自覚した、俺廚二だった。マジへこむ。


ま、なんやかんやで、どうせなら自分好みのCPがみたいな〜と

「なぁ、遊ぼうぜ」とちょっかいかけて、ヤる気満々の奴に対して、本格的に遊んだ。

カラオケで採点バトルからゲーセンで踊り狂い、真冬に花火をしてみたり、全力で悪戯して警察に追われてみたり。

すっごい、楽しかった。


で、気づいたら総長になってた。

中身は、遊び番長でしかないと思うんだけど。

警察さんにぎりぎり捕まんない悪戯やったりしてたから?

良い子も悪い子もまねしちゃだめだぞ☆


総長って、最近総長受け多いし、総長がらみのCPも多いし、やだなー

俺いたいマジでいやだ。と思いつっている俺の脳裏に衝撃が走った。

平凡総長(男前属性)キタコレ!


痛い、いたいぞ自分。


そんな感じで俺は総長になり、同じノリな仲間をつれて王道学園に入学した。

いや、仲良くなったら腐った目で見られなくなって、他の萌を求めてとかではないぞ。

まじで。すこししか。



王道学園食堂にて、良くある場面である生徒会にちやほやされる王道くんに

回りのチワワっこ達が叫び、大変うるさい食堂。


平凡友達であり、チームメンバーでもある阿川と美味しくにやけながら俺は食事をとっていた。

かつどんうまー

そんな俺をよそに、王道くんは取り巻き連中とチワワに対立しつつ、勢い良く立ち上がった。


「だから俺はこいつらとつきあってねー!!!!俺は、月華を探してんだ!!」

「はぁ?!皆様といながら、他を探すなんてあんたおかしいんじゃないの!」

「そうだ!皆様以上なんていらっしゃらないでしょ!!」

「月華をばかにすんな!!」


ぐふっ、変なところに米がはいった。

そんな俺に水を差しだしつつ、阿川は興味深そうに王道くんをみている。

月華とは、俺のことだ。

何も月の下の華のように美しいとか、自分で名乗った訳ではない。

おまえ、月並みってか下だよな。って話が、おおきくなったんだか迷走したんだかで、きらびやかな月華という名前になっていた。

最初の頃は、新しい受け要員きたか!!って、喜んでいたが、

自分だと知ったときのショックったらなかったな。


俺が、昔を思い出している間も王道くんの月華自慢は続く。

あれ、ほぼ間違いなんだよな〜。いやだって、正体おれですから。

平凡ってから中の下って言われるくらいだからね。

阿川が、だれだよそいつって静かに爆笑しながらこぼしてる。

俺もそう思う。銀髪でオッドアイで、一パンチで20人はぶっ飛ばすってどこぞのチート?

ただの、廚二の使者だろ。


阿川の頭をたたいて、俺たちは食堂を後にする。

ほんと、噂ってこえーわ。



「そーちょ、遅かったじゃん」


へらへら笑う、顔はプリティー中身ゲスな井上に、ごめんな〜と返して、

俺は目の前にいる男たちに向かって、にやりと笑う。


「さて、お前らわかってるな」


平凡で中身はじけの阿川。

顔美少女中身ゲスな井上。

強面中身天然勘違いされ男植野。

ただのイケメンだから苦労人榎田。


仲間であり、チームでは部下であり、大切な俺の友達。

こいつらといたら、何だって出来るし、何だって怖くない。

だからこそ、この歪んだ王道学園でやりたいことがやれる。


よし、まずは


「隣の女子校へ潜入だーー!!!!」

「「「おおーーー!!!!!」」」

「って、なんでだよ!?!」


榎田の突っ込みをスルーして、俺は明るい未来を夢見るのだ。


だって、俺腐男子の前に健全な男子高校生ですから(キリッ)


サブタイトル「腐男子だって、男子校生」


BでLな観察をしようと考えて入学したが、

普通に暮らしているだけで、なんか毎日お腹いっぱいで、マンネリ化。

それより、青春しよーぜ!

男子校生の青春って言ったら、女子校潜入だろう。

(※誤った知識)

この後、ハイクオリティすぎて女子校にてお姉様とすがられる未来があったり。

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