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人生の扉。

作者: はぴ子

何かに迷った。

そんな時こそ気楽にいきまいしょう


僕はどうしても扉を開けたい。

絶対にあけるな、と言われてる扉を開けてみたいんだ。


「ねぇ、この扉の向こうは何なの?」

「さぁね、お母さんもわからないな」


嘘ばっかり。お母さんはこの家に30年以上前から住んでいる。

その家にこの扉があるんだ。知らないはずがない。

「でも絶対に開けてはいけないからね」

お母さんの言葉が追加される。


僕がこの扉を見つけたのは、友達とサッカーをしたくてボールを探しに押し入れによじのぼった時のこと。布団の隙間からさびた金色っぽいものが見えた。布団を掻き分けてみてみると、それは1メートルくらいの大きさの小さめの扉だった。

どうしてその時開けなかったかって?

僕はとても臆病ものなんだ。

ビビリってやつ。

あと3分で試合が始まる。でもトイレに行きたい。3分じゃ間に合わないかもしれない。

どうしよう。もれそうだ。でも遅れたら・・・結局行かないで長い3分を過ごしながら「余裕でトイレ行けたな」と後悔するような、どうしようもない奴。でも皆もこういう経験あるでしょう?


僕は決めたんだ。

今日こそはその扉を開け、その向こうはどうなっているのかを知るんだ。

この決断をするまでに5年かかった。僕が扉を見つけたのは5年前だから。


お母さんがいない。よし。

開けるぞ。大丈夫。変なものは出ないさ。大丈夫。

そっと手を扉のドアノブにのばす。

「ガチャン!!」

「うわぁぁぁぁぁ」

「何そんな大きな声出してんの。うるさいね。山に出すぞチンチクリンめがぁ」


お母さんか。僕の洗濯物を干しにきたんだ。まったくタイミングが悪い。スーパーに行ってもタイムセールが終わった直後で「何もない!」と機嫌を損ねて帰ってくるんだ。まったくタイミングが悪い。


そんなことはどうでもいいんだ。

よし。今度こそは。

手をのばす。ドアノブに触れる。

「ヒャッ」


意外と冷たくてビックリした。

僕は本当に臆病ものだ。

開けようとしてからもう30分も経っている。


よし。いくぞ。

手をのばす。ドアノブに触れる。

ドアノブをまわす。

「ガチャ」

目を閉じ、そしてゆっくり開ける。


いつもと変わらない風景。

鍵がかかっていた。


はぁ。なんだよ。鍵がかかっているのか・・・。

鍵を探さなくちゃな。

この扉を開けるのはまだ先になりそうだ。


知られざる扉の真実を知るのはいつになるのだろうか。

知りたくても知ることのできない真実。

たとえ誰かに真実を聞いたとしても自分の目で見ない限りこの扉の真実は解明されないだろう。


世の中には知らないほうが幸せな真実もある。

この扉はどうなのだろうか。

その選択をするのは他の誰でもない。あなただ。

今すぐ開けてもいい。

何年後かに開けてもいい。

一生開けなくてもいい。


どれを選んでもあなたの人生なのだから。




ありがとうございました。

さぁあなたは開けますか?


私は2年後に開けたいと思います。


感想、一言でもよろしいのでいただければ幸いでございます。

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