パートナーがもうすぐ産まれるって言うのに復縁を申し込んでくる元カレの幼馴染
わたしには、つかさという幼馴染がいた。
でも、大学生になると同時に県外へと行ってしまったのだ。
連絡するって言われたけど、でもわたしのほうから、断った。
…
これが、二度目の別れ。
一度目は、ほんとうの別れだった。
小学生の頃、わたし達は交際がはじまり、一週間で幕を閉じた。
早くない⁉︎
早すぎだよね⁉︎って思ったよ?
でもさ、つかさがいったの。
幼馴染なら、ずっと心が繋がれている感あるけど、交際してうっかり別れてしまったら、取り返しのつかないことになるって。
なら、やっぱり幼馴染に戻ったほうがいいよね?って。
…
そうだけどさ…
…
つかさは、大学卒業と同時に地元に戻ってきて、就職した…らしい。
でも、会っては…ないの。
だって、結婚したみたい。
そんなある日、偶然にも街でばったりあってしまった。
「「あ…」」
久しぶりでも、どんなに成長しても…すぐにわかる。
これって、やっぱり幼馴染だから?
ずっと一緒にいたから?
「あ、紗奈‼︎久しぶりだな‼︎元気?」
「…うん。つかさも元気そうだね。つかさは元気じゃないとだめか。」
「え、なんで?」
「だって…産まれるんでしょ?」
「えっ、知ってた?そうなんだよ‼︎もうすぐ産まれるんだよなぁ。いまさ、お腹ぱんぱんだよ。お腹触ると動くんだ」
「…へぇ。よかったじゃん。おめでとう」
「ありがとな」
…
まさか、まさか…
わたしが、つかさにおめでとうを言う日がくるなんて…
涙が出そうになるのを、グッとこらえた。
「なぁ、これからお茶しない?」
「なに言ってるの⁉︎つかさ…もうすぐ産まれるっていうのに…こんな、わたしと…」
「大丈夫だよ。母さんいるし」
…
同居なんだ…
つかさ…同居…
「あ、わたしさ…最近ドライアイでいやになっちゃうんだよねぇ」
そっと、涙をハンカチで拭おうとハンカチをバッグから出そうとしたら、つかさが
「いい目薬あるぞ?」
って言いながら、自分の袖でわたしの涙を拭った。
「ちょ…いいよぅ」
「なぁ、覚えてる?紗奈が泣いた時のこと」
…
別れた時だ…
「紗奈さ、めっちゃ泣いたよな。オレも心ん中でめっちゃ泣いたんだぜ?」
「えっ、なら…なんで別れようって言ったの⁉︎あのままずっと付き合ってたらさ、そしたら、よかったじゃない!」
…
「それは…そうなんだけど、やっぱり怖くてさ」
「なにが?」
「ずっと一緒すぎて、いつか飽きられるんじゃないかって…だから、大人になったらもう一度、今度こそずっと一緒にいようって、胸張って言える大人になってから、迎えに来ようってさ、思ってた。」
…
そのくせ、結婚して…奥さん、もうすぐ産まれるんだ…
結婚してるんじゃん…
「口では、どうとでも言えるもんね…。そのつもりだったって言って、すっきりした?よかったね。今幸せそうでさ」
「え、なに…言ってんだよ?オレさ、ほんとは…ちゃんとリサーチして指輪用意して、夜景がきれいなところでプロポーズするつもりだったけど、今言わせて。紗奈、迎えにきた。結婚しよう」
…
「もう遅いじゃん…。てか、何?奥さんは?つかさがそんないい加減なやつだとは、知らなかった。奥さんとは、別れるっていうの?赤ちゃんは?なんでそんな無責任になっちゃったの⁉︎」
「奥さん?そりゃ、赤ちゃんは…産まれるけど…。まぁ奥さんみたいな感じ?だけど…奥さん…違くね?」
「はぁ?籍入れてないの⁉︎」
「え…入れるわけなくね?」
「最低…」
…
ブブーブブー
つかさの携帯がなった。
「でなよ?」
わたしの言葉に、素直に電話にでるつかさ。
「つかさ、産まれそうよ」
…
音漏れしていて、わたしにも聞こえた。
おかあさんの声…
つかさのおかあさん…
「行きなよ」
「うん、行こう‼︎」
わたしは、なぜかつかさに手を繋がれて、一緒に走った。
…
なんでわたしまで?
よくわからないけど、とりあえずつかさが最低だって、言ってやろうかな。
籍も入れないで、子ども産ませてるくせに、幼馴染にプロポーズしてましたよ?この人ってさ。
手を繋がれたまま、つかさの家に到着した。
「ただいま‼︎梨花は⁉︎」
梨花さんっていうんだ…
「こっちよー」
…
えっ⁉︎
えっ⁉︎
わたしは、ギョッとした…
…
そして…
目があってしまった…
わたしは、そのこの頭をそっと撫でた。
「大丈夫よ、頑張れー」
と、応援の言葉も添えて。
それに応えるかのように彼女は、
「クゥーン」
とないた。
そう、産まれそうなのはワンちゃん。
まさかワンちゃんだったなんて…
そんなこと…だれが想像しました⁉︎
驚きのなか、赤ちゃんが誕生した。
つかさは、わたしの勘違いに微笑み、犬だけにワンチャンあるってことで、もう一度プロポーズをしてくれた。
もちろん、わたしはプロポーズをお受けいたしました♡
おしまい♡




