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とある学生の、とある神社での怪奇録

掲載日:2026/02/13

夏。海にキャンプに夏祭り。夏は、そんな楽しいイベントがいっぱいある。


でも俺は、そんなのに行く暇はなかった。

今の俺は中学3年生。高校受験を控えているから、夏休みの間は夏期講習でほぼ毎日塾に通っている。憂鬱だけど、高校には行きたいから頑張っている。


その日は、いつもと同じような日だった。

お昼ご飯を食べた後、親は仕事でいないから自転車で塾に向かう。ふと空を見ていると、だんだんと空が暗くなってきていた。

雨でも降るんだろうか。せめて塾に行くまでは降らないでほしいな。そんな事を考えながら、俺は自転車のペダルを漕いでいた。


しかし、言霊というものがあるのだろうか。


「うっわ最悪。なんで雨降ってくんだよ」


塾に行く前に雨が降り始めた。しかもゲリラ豪雨と言っていいほどの雨。カッパは持ってないし、何より塾のテキストが濡れてしまう。ちょうどそこに神社があったから、鳥居の前に自転車を停めて、少し罰当たりかとは思ったが雨宿りだけさせてもらった。


その神社には、誰もいなかった。少し前、親から少しこの神社の話を聞いていた。管理している人はいるにはいるらしいが、なにせ小さい神社だし、人通りのない場所にある故参拝する人もいないからほぼ放置されているらしい。その話に違わず、参道の周りには草が腰のあたりまで生えていた。


拝殿の下で、雨宿りをする。

雨はとても止む気配がなく、今日の塾どうしようかな、とかを呑気に考えていた。


その時。



シャーーン。


鈴の音が、聞こえてきた。雨が降っているはずなのに、しっかりと。

さっきも言ったが、ここには全くと言っていいほど人が来ない。それにこの近くには車は停まっていなかった。管理している人が親の知り合いらしいのだが、その人はこの周辺に住んでいないからここに来るときは車が必要なはずだ。


それに、ただの鈴の音ではない。巫女や神主がお祓いの時に使う、鈴がたくさんついたあの棒。調べてみると神楽鈴というらしいが、それに近い音が聞こえてきた。


そして、鈴の音が聞こえてくるとほぼ同時に、雨の勢いが弱くなった。

その時俺は、若干の恐怖を感じた。しかし、その時の俺は中学生。恐怖も感じたが、それよりも好奇心が勝ってしまった。


拝殿から離れ、後ろにある本殿へ向かう。鈴の音は、変わらず鳴り続けていた。


本殿の扉の前についても、まだ鈴の音は鳴り続けていた。むしろ、本殿に近づくにつれ音が大きくなっていったから、音の出所がここだと確信が持てた。


恐怖と好奇心が入り混じりながらも、本殿の扉を少し開けて中を覗いてみる。

そこには、誰もいなかった。


少し怖くなりながらも、扉をもっと開けて中の様子を見てみる。

部屋の端にはダンボールが置いてあった。なにかを持ってきたのか、はたまた運び込んできたのか。とにかくダンボールは開いているものもいくつかあった。


そして正面には、御神体らしき物が。

それが一体なんなのかはわからなかったが、それが祀られているものであろうことは俺にもわかった。


「なんだ。べつに何もねえじゃ……」


いや、待て。

さっきから、鈴の音が鳴っていない。

それに、御神体らしきものの手には、神楽鈴があった。そして、その表情はこちらを見て、笑っているように見えた。


俺は、怖くなって逃げ出した。

そこにいた事がバレると面倒だから、扉は閉めて。でも荷物を持って、全速力で本殿から離れていった。


雨は未だ降っていた。一時弱くなっていた雨は、また強くなっていった。

俺はすぐに自転車にまたがり、すぐに家に帰った。親には塾をサボったことを怒られたが、そんなのはどうでもよかった。




あの神社のその後は、俺も詳しくは知らない。

そこの前の道を通ることは度々あったが、何か変なことが起こった痕跡は残っていなかった。

強いて変わったところを挙げるならば、その神社の雑草が全て刈り取られたことくらいだろうか。




今でもあの神社には、参拝者はいない。




神社。神という存在を祀っているからなのか、ホラー小説などで出てくること多いですよね。

この小説には、これといったオチはありません。主人公はまだ生きていますし、その後の生活にも支障はなく、今も元気に生活しています。


ちなみに、この主人公は私をモデルにしているんですよね。


だって。


※この物語はフィクションです。実際の人物、地名、神社、地域とは関係がありません。が、怪奇現象は全て作者の実体験に基づいています。



この怪奇現象に出会ったのは、他ならぬ私ですから。


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