98 王都に着く前からバトル開始!? 山賊との遭遇
98 王都に着く前からバトル開始!? 山賊との遭遇
「はぁ……なんでこうなるんだ……」
王都へ向かう道中、いかにも怪しげな商人の馬車を発見したカインたち。
そして、やっぱりというべきか、案の定山賊が現れた。
「カイン、こういう時って普通、警戒するもんやないの?」
「おれ、こういうのもう慣れすぎて逆に『またか』ってなってるぜ」
「ウチも、こういうのもう何回目か分からんしなぁ……」
「旅の途中でトラブルに巻き込まれないことがない」
そんな冷静な会話をしている間に、山賊たちは完全に戦闘態勢に入っていた。
「おい、お前ら! そこの荷物は俺たちがもらうぜ!」
「下手に抵抗すれば、容赦しねぇからな!」
「ぎゃああああ!! だから助けてくれって言っとるんじゃあああ!!」
「おっさん、うるさいぞ!!」
カインは頭を抱えつつ、ゆっくりと腰のフライパンを構える。
そう——
伝説級の武器《聖なる調理器》を。
「は? なんやそのフライパン」
「おいおい、戦うなら普通は剣やろ。料理でもするんか?」
「……いや、お前ら、俺が何者か知らんのか?」
「は? なんか有名なんか?」
「ええ、もうね……めっちゃくちゃ有名やで?」
「せやなぁ、『死ぬたびに強くなる』っていうトンデモスキル持ちでなぁ……」
「フライパンで魔王軍の幹部もぶっ飛ばした」
「は?」
「まぁ、いいや。どうせ分かってもらうより実際に食らってもらった方が早いしな」
カインはフライパンを軽く振ると——
バァンッ!!!
爆音とともに、地面に巨大なクレーターができた。
「!?」
「え、えぇぇ!? なんやその威力!!?」
「ただのフライパンちゃうんか!!?」
「ただのフライパンだったら、こんな風に衝撃波は出ないだろ?」
カインがにっこりと笑うと、山賊たちは一瞬で青ざめた。
「や、やばい! こいつ、ガチの化け物や!!」
「おい! 逃げろ!!!」
山賊たちは全速力で森へ逃げていった。
それを見送った後——
「おおおおお!? なんと素晴らしい!! いやぁ、さすがじゃ!!!」
商人のおっさんが、パチパチと拍手をしながら近寄ってくる。
「……で、おっさん、結局お前は何者なんだ?」
「おっと、これは失礼! わしはベルモンド・ゴルディアス! ルミナス王都で商会を営んでおる者じゃ!!」
「……そのわりに、持ってる品が怪しすぎひん?」
「せやなぁ……さっきチラッと見たけど、どう考えても貴族が持ってるような高級品ばっかやし」
「巻物の中……国家機密っぽい」
「おっさん、もしかして……お尋ね者じゃないか?」
「ふぉっふぉっふぉ、まぁ、そうとも言えるし、そうでないとも言える……」
「いや、どっちやねん!!!」
「こいつ、絶対に厄介ごと連れてくるやつや……!」
「……はぁ。王都着く前にこんなんとか、もう嫌な予感しかしないぜ」
こうして、王都に行く前からまたもやトラブルを抱え込むカインたち。
はたして、この先無事に王都へたどり着けるのか!?




