97 王都への旅路! トラブルの予感しかせん!!
97 王都への旅路! トラブルの予感しかせん!!
遺跡崩壊から一夜明け、カインたちはようやく王都へ向けて出発することになった。
目指すはエリュシオン大陸最大の都市、《ルミナス王都》!
「……いや~、遺跡は大変やったけど、ようやくまともな街に行けるなぁ!」
「まともな街……ほんまにそうやろか?」
「ルミナス王都って、帝国の中心やろ? むしろ厄介ごとの温床やんか!」
「好きじゃない……裏社会の連中がごろごろいる、貴族も腐ってる……」
「お前が言うんかよ!! 元暗殺者だろ!」
「……私はもう引退した。勘違いしないで」
そう言いつつも、どこかバツが悪そうなフェリシア。
ルミナス帝国は腐敗した貴族が牛耳っている国で、フェリシアも過去に彼らの手駒として使われていた。
彼女にとって、王都はあまりいい思い出のある場所ではないのだろう。
一方——
「まぁ、王都には色々な魔道具屋とか、ええ食べ物もあるし……楽しみやなぁ」
「せやな! ウチも甘いもんとか食べたいわ!」
「お前、魔王の娘のくせにスイーツ好きすぎだろ」
「ええやんか! 甘いもんは世界を救うんや!!」
そんな会話をしながら、一行は王都へ向けて歩を進める——
——が。
旅が平和に進むはずもなく、さっそく問題が発生するのだった。
***
王都へ続く大通りに差し掛かった頃——
「ぎゃあああああああ!!!」
突如、道の先から悲鳴が響き渡った。
「ん? なんか騒がしいな……」
「なんやろ? ちょっと嫌な予感するわ……」
「まーた、厄介ごとやないやろなぁ……」
警戒しながら進むと、そこには——
巨大な馬車が横転し、周囲に大量の荷物が散乱している光景が広がっていた。
荷物の中には、なぜか大量の金貨の袋や、豪華な装飾品、さらには怪しげな巻物まで。
明らかにただの商人の荷物とは思えないラインナップ。
「……怪しい」
「フェリシアが言うと説得力あるあ」
そして、横転した馬車の傍らで、ひっくり返っている男が一人。
「あぁぁぁぁ!! どうしよう!! わしの貴重な財宝がぁぁぁぁ!!」
見るからに胡散臭いおっさんだった。
「……おい、なんかあのいかにも詐欺師みたいな見た目」
「うわぁ、怪しさ全開やな……」
「絶対関わったらアカンやつやで、これ」
だが——
「おぉぉ!? そこのお方!! 旅の勇者様か!? どうか、この哀れな商人をお助けください!!!」
「……なんで俺らが勇者なんだよ」
「ウチはどっちかっちゅーと魔王の娘やしな」
「おお!? ならばなおさら頼もしい!! どうか、どうか助けてくだされ!!!」
「いや、助けるって、何をだ?」
「荷物を守るんじゃあぁぁぁ!!!」
その瞬間、森の奥から不穏な気配が……。
「……誰か来る」
その言葉と同時に、森の影からボロボロのマントをまとった集団が姿を現した。
「やっぱり追ってきおったかぁぁぁ!! うぎゃぁぁぁ!!」
「……ちょっと待ってや。これ、もしかして……山賊?」
「絶対トラブルやんこれ!!!」
「……おれら、まだ王都にも着いてないのに……」
こうして、またもや面倒な戦いが始まるのだった。




