95 伝説の武器《聖なる調理器》、炸裂!
95 伝説の武器《聖なる調理器》、炸裂!
ズドォォォン!!
ゴーレムの巨大な拳と、カインの伝説のフライパンが激突した。
……次の瞬間、場に響いたのは、なんとも間の抜けた「カァァァァン!!!」という甲高い音。
まるで特大の鍋を木べらで叩いたかのような音に、一同は凍りついた。
「……なんや、この音……」
「全然、迫力がない……」
「ほんで、なんでやろ……ちょっとお腹減ってきたわ」
一方のカインは、必死の形相でフライパンを握りしめていた。腕がジンジンと痺れ、完全に打撃の衝撃が直撃している。
「……イッッッッッッッタァァァァァ!!!!!」
飛び跳ねるようにフライパンを持った手を振り回すカイン。その様子を見て、ゴーレムの拳を振り下ろした本人(?)であるゴーレムは、ほんのわずかに動きを止めた。
まるで、「えっ、それ効いてんの?」とでも言いたげな雰囲気である。
「……?」(ゴーレム若干戸惑い気味)
しかし、次の瞬間——ゴーレムの拳の表面がパリ……パリ……バキィィィン!! と音を立てて砕け散った。
「どうだ、見たか!? 俺のフライパンが、アイツの拳を砕いたんだぞ!!」
「……いや、完全にカウンターの衝撃で砕けたように見えたんやけど」
「つまり、自滅?」
「でも結果オーライやし、まぁええか」
カインの言い分に誰も納得していないが、今はそんなことを気にしている暇はない。ゴーレムは拳を失ったものの、まだ動ける状態だった。
その証拠に、次の瞬間——
「侵入者、確認……必殺・瓦礫ミサイル、発射」
「おいおい、何を撃とうとしてんだよ!!?」
ゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴーレムの肩から、遺跡の瓦礫が収束し、まるでミサイルのような形になっていく。そして——
ズドォォォン!!!!
ミサイル型の岩石が、カインめがけて発射された。
「くっそぉぉぉぉ!!! ならこっちも奥の手だ!!」
カインは素早くフライパンを振りかぶり、思いっきり岩ミサイルを打ち返した!!
「カァァァァァン!!!!!」
ゴーレムの顔面に、超特大の岩ミサイルが直撃。
「……!?」
ドゴォォォォン!!!!
轟音とともにゴーレムの頭部が吹き飛び、そのままの勢いで遺跡の壁に激突。
——ゴーレム、完全沈黙。
「よっしゃぁぁぁぁ!!! これが俺のフライパン流・ホームラン返しだ!!!」
「……いや、普通そんな武器で打ち返せるもんちゃうやろ」
「そのフライパン、何者?」
「……もう料理道具っていうより、完全に戦闘兵器やな」
そんなツッコミを受けながらも、カインの伝説のフライパン《聖なる調理器》は、今日も異世界の常識をぶち壊していた——。




