92 遺跡へ向かう道中、もすでに波乱の予感
92 遺跡へ向かう道中、もすでに波乱の予感
カインたちは、古代遺跡を目指して草原を歩いていた。
空はどこまでも青く、白い雲がのんびりと流れている。
遠くでは鳥のさえずりが響き、心地よい風が草の香りを運んでくる。
——まるで絵に描いたような、穏やかな旅路。
「なぁ、これめっちゃええ天気じゃん。最高の冒険日和だな!」
カインが両手を伸ばして大きく伸びをする。
「ほんまやな! こーいう日は気持ちええわ!」
「そやけど……こっちの方向、ホンマに遺跡があるん?」
「地図ちゃんと見てるの?」
「もちろんだ! ここをまっすぐ行けば——」
そう言いながら地図を見るが、彼の額にはうっすらと汗がにじんでいた。
(……なんか、地図と景色が違うような?)
すでに若干、道を間違えている気配がする。
しかし、ここで認めるのもなんか悔しいので、カインは堂々と胸を張る。
「大丈夫大丈夫! こっちの方向だ!」
「……なんか、嫌な予感がするんやけど」
「その自信、どこから出てくるのか不思議」
——そんなこんなで進んでいると。
「ガサッ……!」
茂みの奥で何かが動いた。
「ん? なんだ?」
「なんかおるな……」
フェリシアはすでに短剣を握り、ルナも警戒しながら魔法の準備をする。
そして、次の瞬間——
「ギャァァァァ!!」
突然、茂みから巨大な鳥の群れが飛び出してきた!
「うおお!? なんやなんだ!!」
「うわっ!? なんかデカいの飛んできたで!!」
「ちょ、ちょっと!? やめてや、髪に絡まるぅ!」
「この数 おかしい!?」
どうやら、偶然にもカインが魔獣の巣の近くを通ってしまったらしい。
わさわさわさわさ!!
カインたちの周りを、無数の巨大な鳥が旋回し始める。
「……えーっと?」
「どう見てもアカンやつやな、これ!!」
「すぐ逃げたほうが良い!!」
「せやから言うたやん!? 絶対ロクなことにならへんって!」
そして——
遺跡にたどり着く前から、すでに命がけの大騒動が始まっていた。




