表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/244

9  これが異世界グルメ!?  スライムおにぎりの衝撃

 


 1.9 これが異世界グルメ!?  スライムおにぎりの衝撃



「うわあああああ!!!  ぷるぷるしてるぅぅぅ!!!」


 俺は悶絶しながら地面をゴロゴロ転がる。


 口の中でスライムが暴れまわる。いや、マジでぷるぷるしてるんだって!!

 噛んだら普通に弾力があって、しかもなんか……口の中でうねうね動いてる気がする!!


「やべぇぇぇ!!  これ食い物か!?」


「お、カイン、ええリアクションやなぁ!」


 ルナは楽しそうに笑いながら、俺の悶えっぷりを観察していた。


「いや、待って!  これ本当に食えるのか!?  なんか生きてる気がするんだけど!!」


「せやせや、生きとるで?」


「生きてるのかよ!!」


 衝撃の事実に、俺は思わず膝から崩れ落ちた。


「だってスライムって、魔力でできとるやろ?  せやから、炊くときに火加減を絶妙に調整すると、魔力が抜けきらんまま仕上がるんよ」


「それ、つまりどういうことだってばよ!?」


「せやから、口の中でちょっとぷるぷる動くんや」


「いや、ダメだろそれぇぇぇぇ!!!」


「ほな、噛まずに飲み込んでみ?」


「それもう食事じゃなくて試練なんよ!!」


 俺は涙目になりながらスライムおにぎりを見つめた。

 見た目は普通の白いおにぎり……でも、その中には未知のぷるぷる生命体なのだ。


(俺は……この異世界で生きていけるのか……?)


 ここが異世界グルメの洗礼の場なのか!?


 ルナは俺の苦悶の表情を見て、ケタケタと笑う。


「ははっ!  なんや、カイン、そんなに嫌なんか?」


「いや、普通に怖いだろ!!  これ、絶対初心者向けの食い物じゃねぇ!!」


「ふーん……ほな、無理やり口に入れたろか?」


「ちょっ、おまっ……近づくなぁぁぁぁ!!!」


 俺は全力で逃げ出した。


 しかし、ルナはニヤリと笑いながら、軽やかに俺の背後を取る。


「うちは精霊の力を持っとるんやで?  逃げられると思っとんのか?」


「え、ちょっと、待っ……うわぁぁぁぁ!!!」


 俺の口に、ルナの手で無理やりスライムおにぎりがねじ込まれた。


 ぷるんっ


「…………っ!!!」


「ん~~~♡ 美味いやろ?」


 俺は絶望した。


(異世界、怖ぇぇぇぇぇぇ!!!)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ