83 黒幕の正体を暴け! でも思ったよりカオス!?
83 黒幕の正体を暴け! でも思ったよりカオス!?
カインたちは、盗賊団「黒蛇の団」の首領・ガルザークと協力し、魔王のツノを市場に流した真の黒幕を探すことになった。
「よし、まずは市場の魔道具店に戻って、もう一度店主を問い詰めるぞ!」
「せやで! これで親父の誤解を解かんと、うちら消されるかもしれへん!」
「ほんまにそれやで……魔王のツノ盗んだなんて知ったら、ゼル=オルディスさん、絶対ブチ切れるやろし……」
「まぁ、犯人が誰か突き止めれば問題ないさ。さっさと終わらせようぜ」
そして、カインたちは市場へと戻った——が。
***
「ゼルフィードの魔道具店」に舞い戻った一行。
店主はカインたちを見るなり、明らかに動揺した様子で後ずさった。
「あ、あんたたち、また来たのか!? わ、悪いが、もう売るものは何もないぞ!!」
「いやいやいや、話を聞かせてもらうだけだ! なんでそんなに焦ってるんだ」
「そうや! さっきの魔王のツノ、どこから仕入れたんか正直に言いや!」
「ほんまにただの転売やったら、そんなビビらんやろ?」
店主は顔を真っ青にしながら、周囲をキョロキョロと見回し、こそこそと声を潜めて言った。
「……あれはな、最近この町に現れた怪しい商人から買ったんだ」
「怪しい商人?」
「ああ……自分を『高貴なる交易人』と名乗る、どこかの貴族風の男だった……。妙に芝居がかった口調で、『この魔道具は由緒正しき家系から流れ着いたもの』とかなんとか言ってたが……」
「怪しいやつ……」
「それ、絶対裏でなんかやっとるやつやん!」
「そいつの居場所、わかるか?」
「た、確か……今夜、町の外れの倉庫で取引をするって言ってたはずだ……」
「——よし、行くで!!」
***
夜、カインたちは町外れの倉庫に潜入するため、慎重に近づいた。
倉庫の外には数人のならず者風の男たちが警備に立っている。
「……明らかに怪しい」
「こっそり入るのは難しそうやな……」
「よし、なら正面突破だ!」
「なんでやねん!! もうちょい慎重になろうや!!」
「バレたら結局戦闘になるんだし、なら最初から堂々と行ったほうが手っ取り早いだろ!」
「……ほんとにバカ」
「いいから、行くぞ!」
——ドォォォン!!
カインは倉庫の扉を蹴破って突入!
そして、倉庫の中にいた男たちが、一斉にこちらを振り向いた。
倉庫の中央には、ド派手な紫のローブを着た男がいた。
金の刺繍が入ったマントを翻し、細長い杖を構えながら、明らかに演劇の舞台から出てきたようなポーズを決めている。
「——フハハハハ! よくぞここまで来たな、愚かなる者たちよ!!」
「うわぁ、めっちゃクセ強そうなやつがいる……」
「なんや、この芝居がかった喋り方……」
「完全に“私が黒幕です”って顔しとるやん!」
「黒幕確定」
「いや、ここまで怪しいと、逆にただの変人かもしれない」
すると、男は堂々と名乗った。
「我こそは——高貴なる交易人、グラシアス・フォン・シュペルナ!」
「なんか名前までやたらとそれっぽいな!!」
グラシアスは杖を振り上げ、朗々と語り出す。
「フハハハハ! 私の手によって、貴族たちの秘蔵品は次々と市場に流れ、やがてこの世界の均衡は崩れるであろう……!」
「え、ちょっと待って……魔王のツノも、まさか……?」
「そう! そ れも私が流したものだ!! だが、それが“どこから来たものか”は——私自身も知らぬッ!!」
「知らんのかーい!!!!」
「いや、ほんま何なんこいつ!? どんな手口で仕入れたかも分かってへんのに売っとったんか!?」
「完全にただのヤバい詐欺師……」
「フフフ……だが、もはや手遅れだ!」
彼が指を鳴らすと、倉庫の奥から大量の魔道具が浮かび上がり、次々と異様な光を放ち始める。
「これらはすべて、かの貴族たちが長年隠し続けてきた秘宝……!! これを解放すれば、世界の均衡は崩れ——」
——ドォン!!!!!
「いや、崩れる前に潰しとくぜ!!」
カインは容赦なくフライパンを振り下ろし、グラシアスの顔面に直撃!!
「ぶふぅっ!?!?!?」
そのまま派手に吹っ飛び、壁にめり込んだ。
「だから言うたやろ……めんどくさい敵は、最初からぶん殴っとくのが一番だって!」
「ほんまそれやわ!!」
こうして、怪しげな交易人・グラシアスはあっさり撃沈。
カインたちは、無事に魔王のツノを回収することに成功したのだった——。




