80 市場の魔道具店にて
今日から7、12、16、21に投稿します。
80 市場の魔道具店にて
“異世界レストランの怪異”を乗り越えたカインたちは旅を続た。大きな街に入ると、目の前には賑やかな光景が目に止まった。
エリュシオン大陸でも屈指の規模を誇る「ルミナス帝国中央市場」は、まさに異世界のショッピングモール。
人々が行き交う広場には、魔法のランプが浮かび、どこからともなく漂うスパイスの香りが異国情緒を醸し出している。
カインたちは、活気あふれる市場の一角を歩きだしていた。
「異世界の市場って、やっぱワクワクするよなぁ!」
「そうやねぇ、色んなもんが売ってて面白いわぁ」
「ほら見てみ! あそこの屋台、『しゃべるスライムのグミ』とか売っとるで!」
「……しゃべる必要、ない」
そんなこんなで市場探索を楽しんでいたカインたちの目に、ひときわ怪しげな店が飛び込んできた。
『ゼルフィードの魔道具店』
店先には、どこかのパチモンみたいな字で「最強の魔剣を作るための素材、大特価セール!」と書かれた看板が掲げられている。
いかにも「掘り出し物あり」といった雰囲気が漂い、見るからに曰く付きの商品が並んでいた。
「おおっ!? 『最強の魔剣』ってワード、めっちゃ惹かれるじゃん!」
「嫌な予感しかしぃひんけど……」
「こういう怪しい店って、案外ええモンがあったりするんよな!」
「……入るだけならタダ」
そう言いつつ、彼女の手はすでに剣の柄にかかっていた。
「……なんで構えてんの?」
「……こいう店、大体トラブルが起こる」
「ほんまそれな」
「もう店入る前から“既に学習済み”みたいになっとるやん!」
ともかく、何が飛び出してくるかわからない緊張感の中、カインたちは店の中へ足を踏み入れた——。
店の中はカオスだった。
棚には「使用済み魔王のツノ」、「神竜のヒゲ(抜きたて)」、「天界の聖なる羽根(なぜか焦げてる)」など、
「どんなルートで流通しとんねん!?」とツッコミを入れたくなるような商品がズラリと並んでいる。
「……なぁ、これ、普通にやばくない?」
「うち、こんなラインナップの店、初めて見たわ……」
「いやいや、これはアカンやろ!! どう考えても、ワイの実家の倉庫から盗まれたやつやん!!!」
「……盗品市場」
「え、ちょ、ほんとに!?」
「絶対そうや!! 親父のツノとか、家宝レベルのやつやし!!!」
その瞬間、カインたちの背筋にゾワリと寒気が走る。
「……ど、どんなルートで流通したんだ、これ……?」
果たして、カインたちの異世界ショッピングは無事に終わるのか!?




