73 異世界レストラン、まさかのサバイバル開始!?
73 異世界レストラン、まさかのサバイバル開始!?
「いやいやいやいや!! 俺、ただ飯食いに来ただけなのに命の危険とか聞いてないよ!?!?」
カインは半ば叫びながら立ち上がった。
黄金の食券を握りしめた手はうっすら震えている。
「ど、どういうことだ!? なんで黄金の食券を使ったやつは全員生きて帰ってないの!?」
執事は静かに、しかし重々しい口調で答えた。
「それが……皆様、食事を終えた後に忽然と姿を消してしまうのです……」
「……消える!?」
カインの額に嫌な汗が浮かぶ。
ルナも顔をしかめながら、「カイン、ちょっとヤバない?」と不安げに囁いた。
イリスは興味津々といった顔で、「もしかして、この店……異世界転移のトラップでも仕掛けとるんちゃう!?」とワクワクしながら言う。
フェリシアは腕を組み、冷静に分析するような声で呟いた。
「……普通に考えれば、この食券に何かしらの魔術が仕込まれてる可能性が高い」
カインは急いで黄金の食券を机に叩きつけた。
「よし、俺、今ここで食券を破棄するぞ!!」
しかし——
ピカーッ!!!
食券が黄金の光を放ち、宙に浮かび上がった。
「ぎゃああああ!? 勝手に発動したあああ!!!」
カインが慌てふためく中、食券はゆっくりと空中で回転し、天井にある巨大なシャンデリアに向かって飛んでいく。
そして——
ズドンッ!!!
まるでスイッチが入ったかのように、レストランの壁がガシャーン! とせり上がり、突如として床が回転し始めた。
「ちょ、ええええ!?!?」
「まるで秘密のアトラクションみたいやな!」
「いや、俺達今、乗りたくて乗っとるわけじゃないぞ!?」
カインたちの足元が突然沈み込み、次の瞬間——
バシュウウウウウ!!!
強烈な吸引力により、一同は真下へと吸い込まれていった。
⸻
ドンッ!!
カインたちは床に叩きつけられた。
「いったぁぁぁぁい!!」
カインが頭を抱えながら起き上がると、そこはレストランの優雅な雰囲気とは一変し、巨大な調理場のようなダンジョン(地下ダンジョン「絶望の美食界」)になっていた。
鉄製の大きな鍋がゴロゴロと転がり、壁には食材らしき謎の生き物たちがうごめいている。
ルナは辺りを見渡しながら、「……まさか、ここが黄金の食券を使った者が消える場所?」とつぶやいた。
イリスは壁に張り付いた巨大なハムのような生き物を指さしながら、「あ、あれ動いとるやん!?」と驚きの声を上げる。
フェリシアはすでに剣を構えながら、「……どうやら、ここから無事に脱出しないと生きて帰れない」と鋭い目つきで警戒を強めた。
すると——
ズシンッ……ズシンッ……!!
遠くから重々しい足音が響いてきた。
「うわ、嫌な予感しかしない……」
カインが身構えると、巨大な扉がゆっくりと開き——
全身がコック服のような鎧に覆われた謎の騎士が現れた。
その手にはありえないほど巨大なフォークとナイフが握られている。
「ようこそ……絶望の美食界へ……」
「お客様の皆様は、今から”究極の食材”として調理されていただきます」
「んなわけあるかあああああ!!!」
カインの絶叫が、広大なダンジョンに響き渡った。




