68 異世界グルメを堪能!
68 異世界グルメを堪能!
ナイトバザールの賑わいは最高潮に達していた。どの屋台からも美味しそうな匂いが漂い、人々の笑い声や店主の威勢のいい掛け声が飛び交っている。
そんな中——。
ルナはエルフの屋台で、優雅に「星霊フルーツワイン」を注文していた。
エルフの店主が銀のカップに、澄んだ透明のワインを注ぐ。月明かりを受けて、まるで夜空の星を閉じ込めたかのようにキラキラと輝く。フルーティーな香りがふわりと広がり、なんとも上品な雰囲気を醸し出していた。
ルナはカップを持ち上げ、うっとりと目を細める。
「ふふ、これは美味しいわぁ……カイン、ちょっと飲む?」
「いいねえ……って俺、未成年だから!」
カインは思わずツッコミを入れたが、ふと考え込む。
「……異世界に年齢制限があるかは知らんけど」
とりあえずルナが幸せそうなので、深く考えないことにした。
一方その頃——。
イリスは魔族の屋台で、「マグマ牛の串焼き」を豪快に食らっていた。
店主の魔族がゴツい腕で鉄串を持ち上げ、炭火でじっくり焼いた分厚い肉をタレにどっぷりと漬ける。ジューッと音を立てながら、濃厚な香りが立ち昇る。それを受け取ったイリスは、すぐさまかぶりついた。
「うんまっ! やっぱり肉はこうでないとあかんわ~!」
両手で串を持ち、バクバクと食べるイリス。その勢いはまるで猛獣のようだった。
「ほんま、ガッツリ食べはるなぁ……」
ルナが感心したように呟くが、イリスは頬張ったまま親指を立てて「最高!」と合図していた。
そして、フェリシアは——。
人混みを避けるように、ひっそりとスープ屋台に佇んでいた。
彼女の前には、深緑色のスープが注がれた木の器。湯気がほのかに立ち上り、独特の香草の香りがする。レンゲを手に取ると、フェリシアは慎重に一口すする。
「……温かくて、深い味……悪くない」
それを見たカインが、しみじみと呟く。
「なんかフェリシアの雰囲気と合ってるな……」
「どういう意味?」
フェリシアの冷たい視線に、カインはそっと目を逸らした。
こうして、それぞれが異世界グルメを堪能しながら、屋台巡りは続いていくのだった——。




