60 元暗殺者、日常に馴染む(?)
60 元暗殺者、日常に馴染む(?)
帝国の最強暗殺者、フェリシア・ヴァルガ。
彼女が仲間になって数日が経ったが――
「……なんなの、このパーティ」
彼女はすでに (精神的に)疲れ果てていた。
◆ 旅の朝食――暗殺者 vs. ポンコツ料理人
「さて、朝飯作るか!」
そう言ってカインは 適当な材料 を鍋に放り込み始めた。
ザバァ!!
「……ちょっと、アンタ何入れたの?」
「ん? そこらへんに生えてたキノコと、謎の肉と、昨日の残りのスープ」
「アウト!! それ、絶対毒キノコでしょ!」
「え? でも“食ったら強くなる”って書いてあったし」
「強くなる前に死ぬわよ!?」
フェリシアは 即座に鍋をひっくり返し、カインの暴走を止めた。
だが――
「う、うち、カインの作った料理やったら食べてみたいわぁ……」
ルナがほんのり赤くなりながら言う。
「……ルナ、命を大事にしなさい」
フェリシアは静かに忠告した。
「なんや、フェリシアは怖がりやな!」
イリスが腕を組んで ドヤ顔 する。
「ふん、私は暗殺者よ? 多少の毒なら耐えられるわ」
「おっ、じゃあ試してみる?」
カインがニッコリ笑って 怪しいスープ を差し出す。
フェリシアは 無言でカインの手を叩き落とした。
「殺す気!?」
◆ 旅の夜――暗殺者、ぐっすり寝る?
フェリシアは元暗殺者である。
つまり、常に 気配を消し、警戒を怠らない。
――のはずだった。
「……」
だが、夜になると、ぐっすり眠っていた。
スヤスヤ……
「おい、フェリシア。普通に寝てるけどいいの?」
「むにゃ……うるさい……」
「いや、暗殺者ってこう、物音一つで目を覚ます的な?」
「……うるさい……殺す……(寝ぼけ)」
「怖っ!?」
カインが そっと距離を取る。
「……こいつ、意外と抜けてるんじゃ?」
イリスが ニヤニヤしながら 近づく。
「ほれほれ、寝てる隙にイタズラでもしたろか」
スッ
次の瞬間、フェリシアの 小太刀がイリスの喉元にピタリと止まった。
「……寝ぼけてても殺せる」
「ひっ……!!?」
「ちょ、待って! 目閉じてるのにどうやって狙ったん!?」
「暗殺者だから」
フェリシアは 目を閉じたままドヤ顔 で言った。
「この女、強すぎる……」
「でも、寝顔はめっちゃ可愛いんやけどなぁ……」
ルナが微笑ましそうに呟く。
「なっ……!? 余計なこと言わないで!」
フェリシアの顔が 真っ赤 になった。
こうして、元暗殺者は (ツンデレ枠として) 旅の仲間に馴染んでいったのだった。




