52 進化ミノタウロス VS 暗殺者 VS フライパン剣士!? まさかの三つ巴戦!!
52 —— 進化ミノタウロス VS 暗殺者 VS フライパン剣士!? まさかの三つ巴戦!!
俺たちは絶望のどん底にいた。
背後には 進化ミノタウロス 。
目の前には ルミナス帝国最強の暗殺者・フェリシア・ヴァルガ 。
詰んだ。
完全に詰んだ。
「カ、カイン……この状況、どないすんの……?」
「いや俺が聞きてぇよ!!!?」
「お前、逃げるのは得意やのになんでこんなアホみたいな状況作っとんねん!!」
「違う!! 俺は悪くない!! これは 運命 が悪いんだ!!」
ズシン……!
ミノタウロスが足を踏み鳴らし、森全体が揺れる。
それと同時に フェリシアが無音で俺との距離を詰めてきた。
「……動くな。お前はここで死ぬ」
「いやいや、ちょっと待て待て! 俺、今それどころじゃないんだけど!?」
「関係ない。私は命令で動く。お前を仕留める。それだけ」
フェリシアは冷たい目で俺を見つめながら、短剣をスッと構える。
その構え方が 尋常じゃなくヤバい。
一瞬の隙でも見せたら—— 死ぬ。
「カイン、どうするねん!? もうここで終わりなんか!?」
「まだだ……! まだ終わっちゃいねぇ!!」
俺は……
フライパンを振り上げた。
「お前……ほんまに頭おかしいんちゃうか?」
「いや、俺もそう思う」
—— その時だった。
「……ちょっと待て。こいつ……邪魔」
フェリシアが ミノタウロスを見上げた。
「……ほう?」
進化ミノタウロスも、それに気づいたのか フェリシアを睨みつける。
そして、
「グォォォォォォ!!!!」
ズドォォォォン!!!!
まさかの、 ミノタウロスがフェリシアに拳を振り下ろした。
「……フッ」
—— しかし。
フェリシアは消えていた。
「は?」
俺は思わず声を漏らす。
「おい……今、あいつどこ行った?」
「……上や!!!」
イリスが指さした先—— そこには。
宙を舞うフェリシアの姿があった。
「……遅い」
彼女は影のようにしなやかに空中を舞いながら、 ミノタウロスの額を狙って短剣を突き立てる!!
—— ドスッ!!!!
進化ミノタウロスの額に突き刺さる短剣。
「……決まりね」
フェリシアは静かに着地した。
ミノタウロスは……
「グ、グォォォォォォォ!!!???」
暴れまわる。
—— 倒れてねぇ!!
「うわあああああああ!!!! なんで耐えてんだよおおおおお!!!」
「おい、どういうことや!? 一撃必殺やなかったんかい!!!」
「……仕留めたと思ったけど、相手が悪かったわね」
フェリシアは冷静な表情を崩さずにそう言った。
「つまり……」
「まだ、終わってない」
俺たちはゴクリと息を呑んだ。
最強の暗殺者 VS 進化ミノタウロス VS フライパン剣士 。
戦いは、ここから本番だった。




