107 フライパン VS 巨大戦斧! まさかの決着!?
107 フライパン VS 巨大戦斧! まさかの決着!?
「ぐおおおおおお!!」
巨漢の戦士が地響きを立てながら突進してくる。
その手には、まるで門をぶち破るために作られたような巨大な戦斧。
観客席からは歓声と悲鳴が入り混じる。
「ひえぇぇっ!? あんなのにぶつかったら木っ端微塵やん!」
「どうせ貴族が雇った無名の雑魚が吹っ飛ばされて終わりやろ!」
「いや、待て……あの男、何か取り出したぞ!?」
その瞬間——カインの手に握られたのは、伝説のフライパン《聖なる調理器》。
磨き抜かれた黒鉄の表面が陽光を反射し、まるで神々しいオーラを放っている。
しかし、どう見てもただのフライパン。
「……やっぱり、場違いやと思うわ」
「ここまで来たら逆にすごい」
「カイン、絶対無茶せぇへんようにな!」
「そうだな……(とか言いつつ、もう突っ込んでるんだけど!?)」
ゴォォォォンッッ!!
戦斧が振り下ろされ、地面が抉れる。
土煙が巻き上がり、砕けた石が飛び散った。
観客たちは息を呑んだ。
「終わったな……」
「さすがに避けられへんやろ……」
しかし、その土煙の中から——
「……いやいや、そんなのに当たるかよ」
なんとカインはフライパンの底で戦斧を受け止めていた。
ギギギギギ……!!
信じられないことに、巨大戦士の全力の一撃がフライパンで完全に防がれている。
「は!? フライパンで戦斧止めたぞ!?」
「ちょ、あれ絶対おかしいやろ!?」
「フライパンってあんな強度あったんか!?」
観客達も、巨漢の戦士も、目を剥いている。
「ナ、ナゼ止マル!?」
「それじゃあ、俺のターンだな」
バシュン!
カインのフライパンが閃光のように振るわれる。
その一撃が、巨漢の戦士の側頭部に直撃した。
「ぐぽぁっ!!?」
衝撃で、巨漢が吹っ飛んだ。
戦斧を放り出し、ゴロゴロと地面を転がり、最後には気絶したまま倒れる。
——静寂。
観客全員が、口を開けたまま呆然としている。
「……」
「……」
「え、ウソやろ……?」
そして、次の瞬間——
「おおおおおおおおおおおおお!!?」
爆発的な歓声!
「フライパンで勝ったぁぁぁぁ!!!」
「あんなんアリかよ!? いや、アリなんか!? いや、すげぇ!!」
「料理人最強説浮上してきたな……」
審判が宣言する。
「勝者、カイン・レヴェナント!!」
カインはフライパンを肩に担ぎながら、キリッとポーズを決めた。
「朝飯前だぜ!」
「いや、もう昼やけどな」
「せやな」
「……そっちのツッコミでいいの?」
こうして、カインは初戦をフライパン一つで制したのだった——!




