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転生したら何故かフライパン戦士になっていました。『スキル「死ぬたびに強くなる」で最強に』  作者: 米糠


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103 王都探索!  まずは宿探し……のはずが!? 

 


 103  王都探索!  まずは宿探し……のはずが!?



 王都の大通りに足を踏み入れた瞬間——カインたちは、その活気と規模のデカさに圧倒された。


 目の前には、豪華な石畳が敷かれ、両脇にはずらりと並ぶ商店。

 道行く人々はみな華やかで、道端には大道芸人が火を吹いたり、宙返りをしていた。


「おおっ! なんや、めっちゃ賑やかやん!」


「すげぇな……帝国の街ともまた違う雰囲気じゃん」


「これが王都……まさに栄華を極めた場所、やね」


「観光してる場合じゃない。まず宿を見つける」


「ふむ……だが、宿を探す前に、まずは飯を食わんか?」


 ベルモンドがニヤリと笑いながら、道端の屋台を指差した。

 そこでは、こんがり焼けた肉の串や、ふっくらとしたパンが並び、香ばしい匂いを振りまいている。


「……確かに腹減ったな」


「まぁ、少しくらいならええか……」


「ほな、ウチはあのデカい肉串いこか!」


「仕方ない……でも食べすぎないように」


 カインたちは屋台グルメツアーを開始した。——が、ここで事件が起きた。


 カインがふと、屋台で売られている焼き立てのパイを手に取ったときのことだった。


「おい、それはワシのパイだ!」


 突然、後ろからふてぶてしい声が飛んできた。


「ん?」


 カインが振り向くと、そこには——ガチムチの筋肉ダルマ男が腕を組んで仁王立ちしていた。


 背はカインより頭一つ分デカく、肩幅は異常なほど広い。

 しかも、胸板が厚すぎて胸筋がパイ生地並みに膨らんでいる。


「いや、普通に売られてるパイだろこれ」


「いや、ワシが『買おうと決めていた』パイだ!!」


「は?」


「……なんやの、その理屈」


「おっちゃん、そんなん言うたら世の中のもん全部ウチのやで?」


「面倒なやつ……」


 ベルモンドが口の端を上げる。

「(パイを取り合う大の男……)これが王都か」


 そんな中、カインはふと違和感を覚えた。

 この男、ただの食い意地の張った奴ではない。


 よく見れば——

 その腰には、装飾が施された豪華な剣がぶら下がっていた。


 そして、周囲の人々が「まずい……」とばかりに距離を取っているのが目に入る。


(……この筋肉ダルマ、もしかして王都でそれなりに名のあるヤツか?)


 すると、その場の空気を察した屋台の店主が小声で囁いた。


「……お、お客さん、そいつは『赤鬼のヴォルグ』っていう、この王都の喧嘩屋ですぜ」


「喧嘩屋?」


「気に食わない奴を見るとすぐ殴る、めちゃくちゃ面倒なヤツで……しかも、王都の騎士団の一員って話です」


「え、騎士なん……?」


「このゴリゴリの見た目で?」


「……完全に『力こそが正義』みたいなタイプの騎士やん」


 ヴォルグはドカッ! と足を踏み鳴らし、カインを睨みつける。


「パイを返せ!  さもなくば、決闘だ!」


「……いや、パイごときで決闘すんなよ!」


「パイではない!  ワシの誇りの問題だ!」


「意味がわからんわ!!!」


 しかし——ここでルナがカインの袖を引っ張った。


「……カイン、ここは素直にパイを渡した方がええんとちゃう?」


「いやいや、そんな理不尽許していいのか?」


「この街で目立ちすぎたら、せっかくの変装がバレるかもしれへん……」


「……あ」


 そう、目的は王都への潜入。

 いきなり騎士団と喧嘩してしまえば、変装の意味がなくなる。


「(……くっそ、納得いかんけど、しゃーないか)」


 カインは仕方なく、パイを差し出した。


「ほれ、俺の負けだ。好きに食え」


「ふむ……わかればよい」


 ヴォルグはニヤリと笑い、カインから奪うようにパイを受け取る。


 そして、ゆっくりとパイを口へと運んだ——


「ふっ、これがワシの……」


 バクッ!!


「…………ん?」


 ——次の瞬間、ヴォルグの顔が凍りついた。


「……?」


「……?」


「……?」


 ヴォルグは、もごもごと口を動かしながら、何かを感じ取っているようだった。


「な、なにこれ……」


 その顔が、次第に青ざめていく。


「……めっちゃマズいんやけど!?」


「えっ!?」


「は!?」


「ど、どないなってんの!?」


「あっ、それ……実は昨日焼いて、売れ残ったパイでして……」


「それ先に言って」


 王都に到着して早々、カインたちは謎の騎士と売れ残りパイを巡る攻防を繰り広げていたのだった——。


 (そして、このトラブルがさらに別の事件へと繋がることになる……)



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