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10  異世界初の絶体絶命!?  ルナの洗礼

 10 異世界初の絶体絶命!?  ルナの洗礼



「…………んぐっ!!  ごほっ、ごほっ!!!」


 俺は涙目になりながら、スライムおにぎりを何とか飲み込んだ。


(……なんやこれ……飲み込んだ瞬間、喉の奥でぷるぷる動いたんやが……!?)


「くっ……!  こ、これは食い物じゃねぇ……!!」


 俺は地面に両手をつきながら、がくがくと肩を震わせた。

 ルナはそんな俺を見て、まるで子どもをあやすような口調で微笑む。


「ほら、カイン。お前さん、異世界の味に慣れなあかんで?」


「いや、これ食べたからって異世界に馴染めるとは思えねぇ!!」


「ほんなら、もうひとつおかわりする?」


「やめろぉぉぉ!!!  俺の口にスライムを押し込もうとするなぁぁぁ!!!」


 ルナはニヤニヤしながら、もう一個スライムおにぎりを手に取った。

 白くて美味しそうな見た目だが、中に未知のぷるぷる生物が潜んでいる恐怖の食べ物……!!


「うちはなぁ、このスライムおにぎり、ちっちゃい頃から食べとったんやで?」


「それ、完全に異世界育ちのやつのセリフ!!  俺、つい昨日まで現代日本にいたから!!」


 俺は全力で後ずさるが、ルナは完全に楽しんでいる。


「ふふっ、カインのびびり顔、めっちゃおもろいなぁ!」


「いや、俺はマジで命の危機を感じてるんだって!!」


「おにぎりで命の危機感じるやつ、初めて見たわ!」


「そっちが異常なんだよぉぉ!!!」


 俺はルナの手から逃れようと必死に草むらを駆け抜ける。


 しかし、ルナはあっさりと俺の背後を取った。


「カイン、動きが単純すぎるで?」


「な、なんでそんな素早いんだよ!?」


「そらまぁ、うちは精霊の力を使っとるしな?」


「異世界チートぉぉぉぉ!!!」


 そして次の瞬間——


 バッ!


 ルナの手がひらりと動いたかと思うと、俺の口の中にまたスライムおにぎりが突っ込まれた。


「……んがっ!!?」


 ぷるんっ


 まただ……また、喉の奥でぷるぷるしてる……!!


「ん~~、おいしいやろ?」


(異世界、マジで怖ぇぇぇぇぇぇ!!!)

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