encounter
入る事を決断し、伝えてから10日経った頃、燕から顔合わせをして欲しいから事務所に来て欲しいと連絡が来た。
そして来て欲しいと言われた日が今日だ。顔合わせが楽しみなような不安なような、そんな変わった気分がする。
馬が合うと良いんだけど…
ピピピとスマホのアラームが鳴る。もう家を出なければいけない時間だ。
持つべきものを持ち、鍵を閉め最寄駅へと向かう。
服装は自由とのことだったから友達に選んでもらったものを着ている。
そこまで服にこだわる必要性ないしね。
そんな事を考えている間に最寄駅に着いた。
事務所があるのは港区なので港区方面への電車に乗る。
まだ朝早めなこともあり電車は人が多い。できれば座りたかったなぁなどと考えながら吊り革に捕まる。
港区に着き、住宅街の方へと歩いていく。事務所が住宅街にあるため駅から少し歩かなければならない。住宅街は意外と入り組んでるから多分最初のうちは地図がなければ迷子になってしまうと思う。
そんな事を考えている間に事務所の入っているビルに着いた。
株式会社Unique Universe、それが燕の作った会社の名前、由来は唯有一無二の存在となるアイドルたちの所属する唯有一無二の事務所にしたい。という事らしい。
ビルの4階とのことだったからエレベーターに乗り、4階へと上がる。
4階へ上がり会社に入ると燕が待っていた。
「お!来たねぇ〜!もう来てる子達いるよ〜!」
「え、早くない…?まだ集合時間の30分前だよね…?」
今日の集合時間は10時なはずだけど…ちなみに私が30分も早く着いた理由は完全に時間配分の時間を間違えた。
「それを言うなら飛鳥も早いよ〜w」
うっ…それは…ごめん、
「ま、そんな話はいいからさw案内するよ、他の子達が待っている会議室に」
「3人目連れてきたよ〜」
「「!」」
もう2人もいたんだ。
1人目の子はクラゲヘアの黒髪赤メッシュで、赤っぽい瞳をした私よりも年齢が低そうな男の子。多分だけど高校生とかそこら辺だと思う。まだ若干顔が幼い。ザ・イケメン系の顔をしている。
2人目の子は水色髪のボブで右の髪の毛の一部で三つ編みをしている青がかった瞳をした女の子。多分年上だと思う。綺麗系の顔をしている。
「初めまして、!」
「うん、初めまして、」
「…初めまして、」
「「「………」」」
か、会話が続かない…!!!
ど、どうにか方法は…
ないな…
時間まで音楽聴いて潰しとこっかな…
イヤホンを付け、最近ハマっている曲を流し始める。…上手くこの人たちとやってけるといいんだけど…
「「「「「…………」」」」」
あの後2人入ってきて5人になったけど最後の1人が時間を過ぎても来ない、、、もう15分以上経っている。
ちなみに4人目の子は淡い緑色の腰ぐらいまでのストレートロングの髪の毛で緑がかった瞳をした女の子。この子は多分私より少ししただと思う。綺麗系の顔をしている。
そして5人目の子は黒上青メッシュのウルフヘアで右目は紫っぽい色、左は青っぽい目をした男の子。この子も服装が大人っぽいし年上だと思う。顔はどちらかと言うと童顔。
「「「「「……………」」」」」
私たちの間はやっぱり沈黙が起こる。
そんな時会議室の扉が開き、黄色い髪のマッシュ、癖っ毛なのかくりんくりんしている黒っぽい目をした男の子が入ってきた。年下かな?
「遅れて本当に申し訳ございません!迷子になっており遅れました、!どうかお許しくださいッッッ!!!」
燕も入ってくる「この子事務所の場所がわからなくて迷子になっていてから許してあげて、」と言われた。
方向音痴なんだろうか?
「改めて、ここにいる子たちは私の事務所、株式会社Unique Universeと契約をしてもらい、アイドルとしてデビューしてもらう形になる、それで問題ないんだね?」
「「「「「「はい!」」」」」」
「よし、じゃあ書類とかの準備をしておくからお互いに自己紹介をしておいてもらってもいいかな?」
「はい!」
一番最後に来た子が答える
元気だなぁ、
「じゃあよろしくねぇ」
燕が出て行き少しの沈黙が起こる。
沈黙を破ったのは5番目に来たオッドアイの男の子だった。
「じゃあ、自己紹介をしていきたいんだけど言うことって名前と、年齢、好きなもの、このグループに何で選ばれたかの4つでいいかな?」
「問題ないと思います。」
「俺は賛成ー!」
私より早く来ていた男の子と最後に来た男の子の2人が反応する。
残りの私たちも頷いて反応する。
それを確認するとオッドアイの男の子は口を開いた。
「じゃあ最初は僕からで、僕の名前は蒼穹 朝日、年は23で、好きなものはバトル漫画、元子役で、演技の面でこのグループに選ばれました。演技とかには自信があるから苦手な人は頼って欲しい!これからよろしく」
「「「「「よろしく/〜/お願いします」」」」」
元子役ってすごいなぁ!
「私次いいかな?」
水色髪の女の子が言う。みんなが頷くのを確認して喋り始める。
「私の名前は雨空 小春歳は朝日君と同じ23歳、好きなことは動くことで、中学の頃陸上で3年間全国大会出場、3年生では高跳びで全国一位、高校ではサッカーをやっていて、もともと強い学校だったのもあって一年全国二位、二年、三年と全国で一位の学校のエースをやっていて、今は日体大の生徒!運動要員(?)で選ばれました、これからよろしくね〜」
「「「「「よろしく/〜/お願いします」」」」」
スポーツが得意なんだ!
もうそろそろ言っておきたいな。
「じゃあ次行ってもいいかな…?」
「いいよ〜」
などと優しい言葉をかけてくれる。
「夕暮飛鳥です!歳は21歳、好きなことは人と踊ることで、ダンスで選ばれました。ダンスは全国大会で優勝してたり、世界大会に出場したことがあったりと経験が多いです!これからよろしくね!」
「「「「「よろしく/〜/お願いします」」」」」
「じゃあ次私で、!」
淡い緑色のストレートロングの子が言う。
「私は昊天 星奈。19歳の大学一年生。好きなことは色んな人と話すこと。トーク力のおかげで選ばれました!一応中学3年生の頃から芸能界に居るので、何に使えるかは分からないけどコネはいっぱいあります!これからよろしくね!」
「「「「「よろしく/〜/お願いします」」」」」
芸能人って凄いな、
「じゃあ次俺で、」
クラゲヘアの子が話す。
「俺の名前は暁紅 茜、好きなことはギターを弾くこと、音楽制作が得意で、中学の頃からボカロPをやっていて、今じゃボカロ界隈の中ではちょっとした有名人です。あ、歳は17、よろしくお願いします。」
「「「「「よろしく/〜」」」」」
「みんな若くね…?」
一番最後に来た子が喋る。
「あ、ごめん俺の名前は天ノ川 宇宙好きなことは歌うことで、シンガーソングライターをやっていた時に拾ってもらいましたw一応20万人超えてる総フォロワー数を持ってまーす、あと歳は24なんで、このグループで最年長らしいでーす、これからよろしくな!」
あ、年上だった、ごめんなさい
「「「「「よろしく/お願いします」」」」」
「よかったらみんなタメにしない?堅苦しいの苦手でさw」
星奈ちゃんが言う。
みんなが口々に「さんせー」などと言い肯定する。あ、もちろん私も肯定したよ!?
「そういえばこのグループの最年少って俺なんだ…」
「あ、そういやそうだな、俺が最年長で茜が最年少だから…歳の差7つ!?えぇ、若」
「分かるみんな若くない?」
「そう言ってる朝日もまだ若いからね?」
「まず2人同い年だよね?」
確か2人は23歳って言ってたからそうだと思う。
「「あ、本当じゃん」」
「息ぴったりとか仲良しかよ、いいね」
「私たちも早く仲良くならないと!」
出会って長くても1時間程度の人たちとこんなにも打ち解けられるって凄いな、もっと仲良くなれるといいな。