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connecting  作者: 由幸
一章
2/4

longing

あの話から早くも一ヶ月が経とうとしていた。

「良い加減に決めないといけないんだけどさぁ…」

これに関しては即決して良いものでは無いし、中途半端な気持ちでやるなんて他のメンバーさんにも失礼だ。それにーーー

いや、この事は一旦忘れよう。この事を考えている限り私は絶対に決断できないと思う。

とりあえず今日は大学もないしどっかぶらぶらしようかなぁ、

そうと決まれば準備をしよう。

私にはファッションとかよくわからないからそこら辺にあった適当な服を着る。まぁ適当とはいえそこまで酷い格好ではないと思う。

メイクとかはめんどくさいししなくてもマスクをつければ然程気にならないのでよしとして欲しい。

適当な鞄を持って財布とスマホ、後は家の鍵を持ち家を出る。

誰もいない家に向かって「行ってきます」と言い駅に向かって歩き出した。

とりあえず今日は新宿でも行こうかな、と思い新宿への切符を買う。

混んでるかなと思ったけれど今日は平日だし、もう10時30分と遅めの時間だからか心なしいつもより空いていた。

とりあえずで新宿に来たけどやっぱり平日でもここの駅は人が多い…

前に()()()()が新宿駅でICカードを落とした時は見つかる気がしなかったけれどその日に2万円分全部を入れたという事だったから6人総出で探した。

なんとか見つけられたから良かったけどもう懲り懲りだ。

今日は何かをやろうと決めて来ているわけじゃないし、街中をぶらつくことにした。

ぶらぶらと適当に歩いていると思っていたけど気づくと楽器屋の前だった。

「やっぱりバンドやってた頃の癖はそう簡単には抜けないってか、」

とりあえず来たんだ。久しぶりに見て行こうと思い中に入る。

憧れの人が出来て高校に入ってから音楽が好きな6人でバンドを組んでいた時のことを思い出す。

私たちのバンドの解散理由はよくある熱量の差での解散。

…私だけ熱量が高かった。他のメンバーたちは楽しくみんなで音楽をやりたいという思いだったけど私はみんなで大きなステージに立ちたかった。

最後にメンバーに言われた「お前の夢だけデカすぎるんだよ、叶いもしない夢を抱くなよ、」という言葉が頭から離れない。それにーーー

やっぱり私にはアイドルとか無理かもしれない。家に帰って燕には悪いけど断る連絡を入れようと思う。

私は駅に向かって歩き始めようとした。

その時後ろから大きな音がした。気になり後ろを見てみるとどこかのアイドルグループがユニカビジョンに映っていた。

『こんにちは!』

『Asterismです!』

アステリズムって確か燕の立ち上げた会社所属の人たちのグループだ、

普段の私なら何にも気にしないで行き先に行くのに今日だけは少しだけ見て行こうと思えた。

『俺たちAsterismは其々の個性を尊重し、ファンのみんなの夢を応援し、俺たち自身の夢を叶える、そんなグループです!』

『夢を叶えるために日々奮闘中です!』

『誰かに夢を否定されても胸を張って頑張りたい、』




『夢を否定されても諦めなかったから今がある』




「ッッッ」

『みんなに〜〜〜』

本当に、その通りだ、あの時私が諦めなければ今も続いていたかもしれない、改めて自分にアイドルなんてできるわけがないと思い知らされる。

「やっぱり断ろ…」

『だけどー』

『《絶対に諦めなければ夢は叶う》』

思わず顔を上げる。

『夢は叶うのを待つものじゃない、自分から叶えに行くもの、』

『私たちの姿を見て一歩踏み出してみようと思える人が増えると嬉しいです!』

『Asterismでした!!!』

ー絶対に諦めなければ夢は叶うー

その台詞が心に刺さった。

「諦めなければ叶うって本当かな…」

だけどもし、それが本当なんだとしたら、

私はー

その後家に帰り、燕に決まった事を知らせた。

明日、一緒にディナー食べる約束をした。






予約していたレストランに着き、燕と向かい合って座る、

「で、結論はどうなったの?」

私はー

「私は叶えたい夢は大きいものをすぐに思い描くし、すぐに自分には無理なんじゃないかって思ってしまう、だけどー」

「昨日Asterismっていうグループの『諦めなければ夢は叶う』っていう言葉を聞いて、私も頑張ってみたいと思えた。だから」

だから、私はー

「そのスカウト、受けさせてもらいたいです!」

そういうと燕が嬉しそうに笑った。

「勿論、こちらこそよろしくね、飛鳥」

2人で笑い合う。

きっとこの選択は間違っていないと思う。

私らしく活動できたら良いな、

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