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酔いどれエルフと酒の歌  作者: チョコレ
第三杯 酔いどれ亭、再建中!
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第1話 酔いどれ亭、再建の時!

 はーい、みんな覚えてる? 酔いどれ亭の看板エルフ、リリィよ!


 金色の髪にエメラルドグリーンの瞳、赤いエプロンをなびかせて今日も元気に酒場を切り盛り――したいところだけど、今はまだ仮店舗の「酔いどれ小屋」で営業中。ええ、前の店は派手に吹っ飛んだわ。魔法樽の暴発って怖いわね! でも、へこたれてなんかいられない! 酒とつまみと仲間がいれば、どこだって最高の酒場になるんだから!


 それでもやっぱり、「酔いどれ亭」を復活させたいのよ!


 借金は返した! 貯金も順調! となれば、次にやるべきは――そう、大口の資金提供者を見つけて、豪勢な新店舗を建てること!! ついに、再建計画が本格始動よ!!



「よーし! 今日から本気出すわよ!!」


 小屋のカウンターをバンッ!と叩く。気合を入れるには、まずは声出し! これ、基本よね。


「…朝っぱらからうるせぇなぁ」


 カウンターの隅で尻尾を揺らしながら、気の抜けた声が飛んでくる。


 うちの看板竜、ドラコ。 火を吹くよりも泡を吐くのが得意な、のんびり屋の相棒よ。


「何か決まったのか?」

「決まってないわよ、何一つ!」


 ドンと胸を張る。物事っていうのは、ノリと勢いが大事なの! まずは景気づけに一杯飲むのが筋でしょ!


 私はカウンターの裏から、特製の新作エールを取り出した。


 琥珀色の液体をグラスに注ぐと、泡の一粒一粒がきめ細かく立ち上る。弾けるたびに、熟した果実とローストした麦の香ばしさが鼻をくすぐる。香りだけで酔いそうなほど濃厚なのに、どこか瑞々しさを感じさせる絶妙なバランス。


 光に透かすと、黄金色に揺らめく液面がまるで夕陽みたいで――もう、飲む前から最高の一杯なのが分かるわ!


「ほらドラコ、これでも飲んでシャキッとしなさい!」


 鼻をひくひくさせながら、ドラコがグラスを手に取る。

 ――そして、ゴクリ。


「……おお、意外とイケるじゃねぇか」


 喉を鳴らす音が、静かな店内に響く。

 グラスを置いたドラコが、満足そうに尻尾を揺らした。


「で? 今日の作戦は?」


「決まってるでしょ? 資金提供者を捕まえるのよ!!」


 私は勢いよくグラスを掲げる。

 借金ゼロからの酒場再建は難しい。でも、酔いどれ小屋の人気と、私の商才(!)を武器にすれば、出資してくれる人を見つけるのは不可能じゃない!


 そう、ここからが正念場。

 でも、その前に――


「もう一杯飲んで景気づけしなくちゃ!」


 私は再びグラスを手に取――


「ちょっと待ちなさい、リリィ」


 ピシャリ!

 カウンターの向こうから、冷静な声が飛んできた。


 ジーナ・ロスティア。

 私の酒の仕入れを担当する商人であり、ツンツンしつつも何だかんだで力になってくれる頼れる相棒。


「これから資金を集めに行くんでしょう? まともに交渉したいなら、空きっ腹に酒は厳禁よ。」


「えぇ~? ちょっとくらい良いじゃない、気合い入れるためにも!」


「…バカね」


 ジーナはため息をつきながら、私を鋭く見据える。手元には、投資に乗りそうな商人たちのリスト。しっかり準備してるのはさすがね!


「私はあんたのために動いてるんじゃないわよ。酔いどれ亭が繁盛すれば、私の商売も潤う。 それだけの話よ」


「ふふっ、相変わらず素直じゃないわねぇ」


「…うるさいわね! さぁ、行くわよ! 大勝負の始まりよ!!」


 ジーナがリストを片手に立ち上がる。

 その表情には、どこか期待の色が滲んでいた。


「ふふ、任せなさい!」


 私はバンッとカウンターを叩き、勢いよく外へ飛び出す!


 「酔いどれ亭」再建のために――最高の酒と仲間が集まる場所を、絶対に取り戻すんだから!!

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@chocola_carlyle

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