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酔いどれエルフと酒の歌  作者: チョコレ
第二杯 酔いどれ小屋、開店!
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第29話 半額戦略!?森の恵みで迎え撃つ!

 「何よ何よ何よ!!!またあいつら、しょうもないことしてきたわね!!」


 カウンターをバンッと叩き、私は新聞を睨みつける。

 フォルクが苦笑しながら、新聞を広げて見せた。


「酒ギルド加盟店、来週限定で"全品半額キャンペーン"を実施、だとよ」

「そんなんされたら、うちの客が流れちゃうじゃない!!」


 ジーナは腕を組み、冷静に分析する。


「完全に酔いどれ小屋潰しね。安売りで客を取って、こっちを干上がらせる作戦よ」

「くっそ~~~!!」


 店の中をぐるぐる歩き回りながら考える。


「よし、こっちも何かキャンペーンで対抗するわよ!!」

「でもリリィ、うちは酒ギルドに加盟してないから、仕入れ値が安くなるわけじゃないぜ?」


 フォルクが肩をすくめる。


「そこよ! あいつらみたいに酒の値段を下げるのは無理。でも、タダなら話は別じゃない?」

「…タダ?」


 バンッと手を叩き、店の奥から大きなカゴを持ってくる。


「こっちには、エルフの里近くの森があるでしょ! あそこで採れる山の幸、全部タダよ!! つまり――"森の恵みおつまみ無料キャンペーン!"やるわよ!!!」

「はあああ!? また無茶なこと言い出しやがった!!」


 フォルクが頭を抱えた。


「だってタダなのよ!? 山に行けばいくらでも生えてるんだから!」

「…確かに、言ってることは間違っちゃいないわね」


 ジーナがため息をつく。


「よっしゃあ!! じゃあ今から山に行くわよ!! みんなで総出で山菜採りよ!!」


 酒ギルドの半額キャンペーン初日。

 酔いどれ小屋の入り口には、でっかい看板が掲げられた。


『森の恵みおつまみ無料キャンペーン!!』


 通りを行き交う客たちが足を止める。


「え、マジでおつまみ無料なの?」

「こっちの方が得じゃね?」

「タダって聞いたら行くしかねぇ!!」


 こうして店内は一気に大盛況!!

 私はカウンターの中で次々と"森の恵みプレート"を用意する。


 まずは、森で採れたスパイスハーブのローストナッツ。

 クルミやヘーゼルナッツ、松の実をじっくりローストし、エルフの森でしか採れないスパイスハーブをまぶす。香ばしさとほのかな辛みが絶妙に調和し、カリッと噛めば濃厚なナッツの旨味が口いっぱいに広がる。お酒を誘う最高の一品。


 次に、森の香草キノコのグリル。

 夜明け前に摘んだフレッシュな森のキノコを、じっくり炭火で炙る。仕上げに香草オイルを垂らし、カリッとした表面の中から、ジューシーな旨味が溢れ出す。噛むたびに広がる森の風味が、エールにもワインにもぴったり。


 続いて、エルフの風乾ハーブクラッカーと熟成豆乳チーズ。

 サクサクと軽やかな食感のクラッカーに、熟成された豆乳チーズをたっぷり乗せ、さらにドライハーブを散らす。ほのかにナッツのようなコクがあり、ワインやフルーティなリキュールと相性抜群。


 そして、焼き栗とハーブバターのホットプレート。

 大粒の甘栗を殻ごと焼き上げ、ほくほくの実にエルフ特製のハーブバターを絡める。ほんのりとした甘みとバターの芳醇な香りが混ざり合い、ひと口食べると幸せな気分に包まれる。


「さぁさぁ!!これが森の恵みよ!!存分に味わって!!」


 客たちは目を輝かせながらプレートに手を伸ばし、一口食べた途端、歓声が上がる。


「なんだこれ、酒ギルドの店よりよっぽどうめぇ!!」

「この焼き栗、酒と合いすぎる!」

「おかわりできる!?」


「どんどん食べていいわよ!! いくらでも森から採れるんだから!!」


 一方その頃、酒ギルド加盟店側では……。


「…ちょっと待て、なんか酔いどれ小屋の方が人集まってないか?」

「おかしいぞ、こっちは酒半額なのに!!」

「え!? あっち、おつまみ無料!? しかもエルフの森の食材!? ずるくね!?」


 酒ギルドの連中が青ざめている。

 そして夜。


「いや~~~! 大成功だったわね!!」


 ジョッキを傾けながら、私は満足げに笑う。

 フォルクもナッツをつまみながら苦笑した。


「まったく…お前の発想はいつも無茶だけど、結果的に大当たりだな」

「タダのもんを使うってのがズル賢いわね…」


 ジーナが呆れたようにため息をつく。


「ふふん、"原材料タダの強み"よ!!」

「で、明日もやるんだろ?」


 フォルクがニヤリと笑う。


「もちろんよ!! どんどん森に採りに行くわよ!!」


 こうして、"森の恵みおつまみ無料キャンペーン"は大成功! 酒ギルドの半額キャンペーンを完全に打ち破ったのだった!!

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@chocola_carlyle

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