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酔いどれエルフと酒の歌  作者: チョコレ
第二杯 酔いどれ小屋、開店!
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第12話 狭い厨房で大暴走!

 昼下がり、酔いどれ小屋の扉が静かに開くと、例のご近所お節介さん、マダム・バーベナが姿を見せた。紫色のスカーフを巻いた彼女は、今日も籠いっぱいに謎の食材を抱えている。もう嫌な予感しかしない。


「リリィちゃん、元気かい?今日は素晴らしいアイデアを持ってきたのよ!」

 いつものように勝手に厨房に入り込みそうな勢いでカウンターに籠をドンと置く。


「またですか、マダム?今日は何を持ってきたんです?」

 私がため息をつきながら尋ねると、彼女は目を輝かせてこう答えた。


「狭いこの酔いどれ小屋にぴったりの、簡単に作れて映えるおつまみを教えてあげるわ!」

 彼女の提案は、ファンタジーならではの食材を使った『フラワーコーン』というおつまみだった。


『フラワーコーン』は、森で採れる「ゴールデンフラワー」という黄金色の花びらを使う。これを薄い生地に包み、揚げてコーン形に仕上げる。中には「クリスタルハニー」という青白く輝く蜂蜜と、「スパイラルナッツ」という香ばしい渦巻き形のナッツを詰める。最後に、微細なキラキラしたパウダーを振りかけることで、見た目も華やかな一品に仕上がるという。


「これならお客さんも喜ぶし、狭い厨房でも手軽に作れるでしょ!」

 彼女の勢いに押され、私は試しに作ってみることに。


 まずはゴールデンフラワーを洗い、揚げる準備をする。ところが――。


「油が跳ねるわ!危ない!」

 マダムが不用意に花びらを投入したせいで、油がバチバチとはね、私は思わずフライパンを取り上げた。


「ちょっと待ってください!この狭さでそんな大胆なことしないで!」

「気合が足りないわ!料理は情熱が大事よ!」

 いや、そういう問題じゃない。


 続いてクリスタルハニーを詰め始めると、彼女の手元が不安定すぎて蜂蜜がべたべたと床にこぼれる。


「ちょっと、これ床に落としたら掃除が大変なんですから!」

「でも、この蜂蜜が光る様子は素敵でしょ?」

 確かに輝く蜂蜜は綺麗だけど、それどころじゃないの!


 そして最後にスパイラルナッツを砕いて振りかける段階で、彼女が勢いよく振りすぎたせいで、店内がナッツの破片まみれに。


「これ、やりすぎ!」

 私が叫ぶ中、厨房は完全に混乱状態。狭いスペースだからこそ、余計にごちゃごちゃしてくる。


 なんとか完成した『フラワーコーン』を、一口食べてみると――。


「これ…美味しい。」

 カリカリとした花びらの香ばしさと、甘いクリスタルハニー、そしてスパイラルナッツの香りが絶妙に絡み合う。見た目も華やかで、これなら確かにお客さんに喜ばれそうだ。


「でしょ?私のアイデア、大正解だったでしょ?」

 マダムは胸を張るが、厨房は大惨事だ。


 その後、店に来ていたドラコが一言。

「これ、うまいけど、厨房が小さいなら一人でやれよな。」

「それが理想ですけどね!」

 私は思わず声を張り上げた。


 こうして『フラワーコーン』は酔いどれ小屋の新しい看板おつまみになったけれど、マダムに「厨房に入らないこと」をしっかり約束させたのは言うまでもない。狭いお店だからこそ、効率よく美味しいものを提供するのが一番よね!

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@chocola_carlyle

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