第12話 風よ、味方になれ!
ゴォォォォォォ!!!!
「きゃあああああ!!!」
店内に入った瞬間、突風が吹き荒れ、女性客たちが必死にスカートを押さえる!
「ちょ、ちょっと待って! 何これ!?」
私はカウンターの奥から様子を見ていたが、店全体が猛烈な風の渦に包まれている!
ゴォォォォ!!
テーブルクロスが飛び、ナプキンが空を舞い、フォルクのマントがバッサァァ!!と広がる。
「おいおいおい! なんだこの強風は!?」
ドラコがしっぽをバタバタさせながら叫ぶ。
「十中八九魔術ギルドね! 風魔法で店内に強風を発生させてるんだわ!」
私は額に手を当てながら考え込む。
ピュオオオオオ!!!
「いやいやいや! これじゃ女性客が安心して飲めないでしょ!!!」
スカートがめくれそうになりながら必死に押さえるお姉さまたち。これはマズい。
ジーナが呆れた顔で腕を組みながら言う。
「完全に女性客を追い払うのが目的ね。」
「くっそぉ、許せない!! じゃあ…また逆手に取るしかないわね!!」
「…またかよ。」
フォルクが呆れ顔。でも気にしない!!
「風に合うお酒を作るのよ!!!」
『疾風のカクテル・エアロブリーズ』!!!
私はすぐに材料をかき集め、カウンターに立った。
まずは、軽やかで飲みやすいホワイトラム。
ラムの甘みとほんのり香るバニラが、口の中でふわっと広がる。
そこに、フレッシュなグレープフルーツジュースを絞り入れる。柑橘の爽やかさが、ラムの甘みと絶妙に絡み合い、さっぱりとした味わいに。
さらに、風のように軽やかに仕上げるために炭酸水をひと吹き。
そして、最後の仕上げ――
「カウンターを開けて!!」
私は店の扉を開け、吹き込む突風を利用して、お酒を混ぜる!!!
ゴォォォォ!!!!
カクテルの表面にふわっと風の泡が広がり、香りが店内に立ち込める。
「よし! 完成!!」
カウンターに並ぶ、爽やかで透明感のある一杯。グラスの中では、炭酸とジュースが風に舞うようにゆらめいている。
「さぁ! 誰が最初に試す!?」
「……またか。」
フォルクが苦笑しながら、グラスを持ち上げる。
「ゴクッ……!!」
「……くぅぅぅ!!! これは爽快だ!!!」
「でしょ!?」
「最初はラムの甘みがフワッと広がるのに、すぐにグレープフルーツの酸味がキュッと締めてくる! まるで風が吹き抜けるみたいな後味だ!!」
「ほほう、それは楽しそうじゃねぇか!!」
ドラコがしっぽを振りながら、カウンターの上でくるりと回転。
「こりゃまさに、風に乗る酒だな!!」
女性客たちが興味を持ち始める。
「へぇ! なんかオシャレ!」
「飲んでみたい!」
ゴォォォォ!!!
店内の風がさらに強まる。
が、スカート問題、解決済み!
私は店内に急遽「おしゃれスカートガード」を設置したのだ。
「膝掛け無料サービス開始!!!」
「これなら風が吹いても安心!」
女性客たちは笑顔でカクテルを楽しみ始めた。
「さてさて! 今夜は"疾風の夜"よ!! 風とともに味わうカクテル、『エアロブリーズ』をどうぞ!!」
「うおおおおお!!! かんぱーい!!!」
店内は大盛り上がり!!
一方、店の外では――
「な、なんでこうなるんだ……!!?」
魔術ギルドの妨害担当、呆然。
「おかしい、女性客を追い払うつもりが…!?」
そして――
ゴォォォォ!!!!
「ぎゃああああああ!!!」
妨害担当、自分の魔法で吹き飛ばされる。
「……まぬけね。」
ジーナが冷たい目で呟く。
私はグラスを傾け、爽やかな風のように飲みやすいカクテルを喉に流し込んだ。
「魔術ギルドさん、ありがとう!! おかげでまた新名物が生まれたわ!!!」
「ぐぬぬぬぬぬ!!! またしても逆手に取られた!!!」
こうして、酔いどれ小屋の『疾風カクテルナイト』が新名物となったのだった。
─
「…魔術ギルドのトップは魔法樽に興味を示し、そして偉大な魔法使いであることに違いないはずなのだが…。」
闇の中、低く囁かれる声。
「現場の担当者が、そこまで優秀ではないのかもしれんな…。」
「…何かしら我らも手を貸すべきやもしれん。」
静かな沈黙の後、影たちは闇へと溶けていった。
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