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酔いどれエルフと酒の歌  作者: チョコレ
第三杯 酔いどれ亭、再建中!
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第10話 究極の泡試しギャンブル!

 バァァァン!!!!


「今夜の勝負はこれだ!!!」


 店の扉が勢いよく開き、派手なロングコートを翻しながら現れたのは、ギャンブル狂の策士、エゼル・ワルディア。


「また勝負?」

 私はカウンター越しにじとっと睨む。


「そうだ!!今回はこれまでのカードやダイスとは一味違う!!技術と度胸、そして運を試す新たなゲームを持ってきた!!!」


 フォルクがジョッキを置いて苦笑する。

「ほう?どんな勝負だ?」


 エゼルはニヤリと笑い、カウンターの上に一本の針を取り出した。


「名付けて――『ドラゴンニードルバトル』!!』」

「……は?」


 店内が一瞬静まり返る。


「ドラコが最高に濃密な泡を作り、その上に針をどれだけ刺せるかを競うのさ!!」


「…おいおい。」

 フォルクがドラコを見る。


「ドラコ、そんな泡作れるのか?」


「フン!俺を誰だと思ってんだ!」

 ドラコはカウンターの上で自信満々に胸を張る。


「俺の泡立て技術は、ただのドラゴンレベルじゃねぇ!!」

「…そんな技術あったの?」

「あるんだよ!!!」


 私は頭を抱えた。

「はぁ…まぁ、面白そうではあるけど。」


「面白いだろ!!!」

 エゼルが勢いよく針を握り、店内の冒険者たちもざわめき始める。


「おお、これは興味深い!」

「そんなゲーム、聞いたことねぇぞ!!」

「俺も挑戦してぇ!!」


「いいだろう!!じゃあ、まずは俺が手本を見せてやる!!!」

 エゼルが胸を張る。


「ドラコ!!最高の泡を出してくれ!!!」


「へっ……任せとけ!!!」

 ドラコはひとつ大きく息を吸い――


「ぷぅぅぅぅぅううう!!!!」


 カウンターの上に、ふわっふわの超濃密泡が現れた。


「おおおお!!これは……!!」


 泡はまるで魔法がかかったように、しっかりとした形を保ち、ぷるんと揺れている。


「……これ、本当に泡?」


 私は指でつついてみる。


「おい、つぶすなよ!!!」

「わかってるって!」


 エゼルが針を構え、真剣な表情になる。

「よし……まずは1本目……!!」


 スッ――


 ぷすっ……


「……入った!」


 店内がどよめく。


「おおお、泡が崩れねぇ!!」

「すげぇ、あんなに細い針なのに!!」


「ふっ……当然だ!!!」

 エゼルは得意げにニヤリと笑い、次々と針を刺していく。


 2本、3本、4本……


「おおお!!まだ崩れない!!!」

「これ、どこまでいけるんだ!?」


 フォルクやジーナも見守る中、エゼルはさらに慎重に針を進める。


「10本目……!!!」


 ぷすっ――


「入った!!!」

「すげぇぇぇ!!!」


 店内の歓声が上がる。


「ふははは!!これが俺の技術と度胸だ!!!」


 エゼルが勝ち誇る。


「じゃあ、次は……リリィ、お前の番だ!」

「……えぇ?」


 私は微妙な顔になる。


「いや、私、こういう細かいの苦手なんだけど……」

「勝負事から逃げるのか!?」

「うるさいわね!!!」


 私は渋々、針を手に取る。


「……慎重に、慎重に……」


 スッ――


 ぷすっ……


「おお!1本目クリア!!」


 私はさらに針を進めていく。


 2本、3本、4本……


「おおお、これはリリィが逆転するか!?」


「ふっ…私は酒場の女将よ。こんな細かい作業、朝飯前――」


 ぷるんっ


「――あっ。」


 どっしゃあああああ!!!


 泡が一気に崩れ、カウンター全体が泡まみれになった。


「ぎゃああああああ!!!」

「リリィ、お前ぇぇぇぇ!!!」

「ちょ、ドラコの泡が顔に……!!」


 店内、大混乱。

 エゼルが涙目になりながら叫ぶ。


「くそぉぉ!!俺の記録は破られなかったが…なんだこの惨状はぁぁぁ!!!」


「ふぅ…これは営業停止かしら。」

 私はため息をつきながら、泡だらけのカウンターを拭く。


「ったく、なんでこんなことになったのよ…。」

「いや、お前が負けたせいだろ!!!」


 フォルクがツッコみ、ジーナは肩をすくめる。


「まぁ、面白かったんじゃない?」


「俺の泡を使うなら、もっと慎重にやれよな…!!!」

 ドラコがしっぽを振りながら文句を言うが、もう遅い。


「…はぁ。もう、こうなったらお酒でも飲まないとやってられないわね。」


 私はカウンターの奥から『スターダスト・エール』を取り出した。

「これは特別よ。銀河のようにきらめく泡と、ほのかに甘い香りのラガー。最後に加える月光ハーブが、すっきりとした後味を生み出すの。」


 泡まみれになった全員が、一斉にグラスを持ち上げる。


「乾杯!」


 ゴクッ、ゴクッ……


「……っ!!!」

「こ、これは……!!」


 銀色にきらめく泡が舌の上で弾け、麦の香りがふわりと広がる。後味にはハーブの清涼感が心地よく残り、どこか幻想的な余韻を残す。


「…美味すぎる…!!」


「でしょ?」

 私はニヤリと笑いながら、グラスを傾けた。

 こうして、「ドラゴンニードルバトル」は大波乱のうちに幕を閉じたのだった。


 ……そして翌日。


「リリィ!!大変だ!!今度は泡をどれだけ積み上げられるかっていう『ドラゴンバブルタワー』をやりたいって奴が来てるぞ!!」


「もうやめてぇぇぇぇぇ!!!!」

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@chocola_carlyle

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