第7話 星降る夜のフルーツ酒!
バァァァン!!!!
「リリィ!! 今回はすごいぞ!!! 伝説の果実を持ってきた!!!」
扉が爆発する勢いで開き、突進してきたのは──
「またお前かァァァァ!!!!」
カウンターの奥でグラスを拭いていた私は、反射的に叫んだ。
「……今度は何のフルーツ?」
ドヤ顔全開のフルーツ王が、誇らしげに両手を突き出してくる。その手には、やたらと眩しく輝く黄色い果実。
「見よ!! これがスターフルーツだ!!!」
彼は高らかに果実を掲げた。
「へぇ、珍しいじゃないの。星の形をしたフルーツね。」
私は手に取ってみる。スライスすれば完璧な星型になる黄金色の果実。ほんのり甘酸っぱい香りが鼻をくすぐる。
「そうだ!! まるで夜空の星をそのまま食べるようなフルーツ!! 甘みと酸味のバランスが絶妙!! これを酒にしないなんて、そんな罪深いことがあってたまるかぁぁぁ!!!」
「……まあ、確かに酒にしたら面白そうね。」
「だろう!! ではリリィ!! 最高のスターフルーツ酒を作ってくれ!!!」
「言われなくてもやるわよ!」
私はニヤリと笑い、カウンターをポンッと叩いた。
カクテル作成、開始!
まずスターフルーツを薄くスライス!絞り出された果汁は、爽やかな酸味とやさしい甘みの絶妙なバランス。
ベースは白ワイン!優雅なフルーティーさが、スターフルーツの香りを引き立てる。
そして蜂蜜でコクをプラス!シトラス系リキュールを少々加えて、芳醇な余韻を演出。
仕上げにミントをひと叩き!氷を浮かべて、ひんやりとした涼やかさを加える。
「完成!! スターフルーツ・ブリーズ!!!」
黄金色のリキュールがキラキラと揺れ、まるで夜空の星そのもの。
「さぁ、フルーツ王! 一口飲んでみなさい!」
「……ゴクリ……」
その瞬間――
キラァァァァァァン!!!
彼の背後で謎の星が輝き出す。
「こ、これは……!!!星の輝きをそのまま飲んでいるような感覚……!!!爽やかな酸味が駆け抜け、蜂蜜の甘みがふんわり包み込む……!!そしてミントの涼やかな香りが夜風のように広がるぅぅぅ!!!くぅぅぅ!! これぞまさに、夜空の一杯!!!!」
「なぁ、リリィ……」
フォルクが呆れ顔でジョッキを傾ける。
「なんでこいつ、酒飲むたびに何か降臨してんだ?」
「私に聞かないでよ!!!」
「決めた!! 今夜はこの酒を飲みながら、星に願いをかけるのだ!!!」
「へぇ~」
ボリボリ。
フルーツ王の隣で、ドラコが冷静にナッツをかじる。
「で、その願い事って、また次のフルーツを持ってこようとかじゃないだろうな?」
「…………」
「黙るなァァァァァ!!!! 絶対そうでしょ!!!!!」
「当たり前だろう!! まだまだ未知の果実はこの世界に溢れているのだから!!!」
「で、リリィ。」
後ろで帳簿を付けていたジーナが、淡々と尋ねる。
「この店、いつからフルーツ専門店になったの?」
「ち、違うわよ!! ここは立派な酒場よ!!!」
「でも最近、お酒の新作よりフルーツの持ち込みのほうが多くない?」
「そ、それは……」
「……リリィ、酒場の看板変えない?」
「変えない!!!!!」
「……まぁいいわ。」
ジーナは軽くため息をついた。
「でも、今回のカクテルは見事だったわ。あんた、やっぱり天才ね。」
「ふふん♪ でしょ!!」
「だが……!」
「俺はもう次のフルーツを見つけている!!!」
「帰れェェェェェェ!!!!!」
こうして、フルーツ王の果てしなきフルーツ酒探求の旅は、今夜も星空の下で続くのだった――。
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