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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

思い出せない!


思い出せないッ⸺目の前の彼女の名前を!!!


俺は真下ました 勿忘わすれ。ごく普通の一般男子高校生だ。目の前にいる少女は俺の彼女と言い張っている。しかし俺は覚えがない。俺は物覚えが悪いから、本当に忘れているだけかもしれないし、俺は昔から女運がないからそっちかもしれない。


「勿忘君もしかして⸺」


ヤベェ!?思い出せてない事がバレる!?


「⸺私と久し振りに会って照れてるの?」


間ッ一発ッ!!!


「お・・・おう。」



しかし思い出さなければッ!!!



まず俺が五つの頃、母方の祖父母が住んでる地名が「ないよ!」と当時園児で同じ組の女の子に言われてギャン泣きした。これは目の前の女と記憶の中の女の子が合致しないから違うだろう。


次にありえるのは夢か幻か分からないが、野生動物が家に侵入していた事か?あの動物が雌だったとかか?・・・・・ゲームのやり過ぎで考えが飛躍した。その線もないだろう。


次は⸺


***


目の前の少年は必死になって思い出そうとしているのだろう。可愛いなぁ♪


実際のところ、少年と直接あったことはない。ただずっと、少年が生まれた時から見ていた。


少年が転んだとき、駆け寄ってきた女を押して坂から落としてやった。少年がイジメられたとき、虐めた女を全身骨折にしてあげた。少年が女に誘拐された時、誘拐した女を海に流してやった。少年の家に不法侵入した雌をズタズタにして山に捨ててやった。少年が告白されようとしたとき、女の上から瓦礫を落としてあげた。少年が女に告白しようとしたとき、女に拷…お願いして拒絶してもらった。あの時の少年の表情といったら⸺あぁ♪ゾクゾクする♪


私はずっと…影から見守ってるよ、勿忘君♪


***


うーん・・・いくら思い出そうとしても、見覚えがない。


「ねねっ、勿忘君」

「なな、なんですか?」

「私とデート、しない?」


え・・・?

正直、危ないかもしれない。しかし、俺は健全な一般男子高校生。大人な女性にデートに誘われてしまったら・・・行くしかないだろう!真下 勿忘、今回のデートで女運の悪さを下げ、女運を上げるのだ!


「デートさせてください!」

とても怖いお姉さんでしたね。

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