表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/73

11話 魔力暴走で全員集合

 スィーヤの出現にパニクって、思わずルヴァに助けを求めちゃったけど、来るわけない。

 そう思っていたのに――ルヴァさん、来たんですけど? 


 すごく慌てた様子で部屋に入ってきたルヴァは、私とスィーヤを見て表情を凍り付かせて……。

 私は、スィーヤがルヴァの方を見たから、コレはマズいと思ってとっさに色々お願いしたのだけど――ルヴァが、キレた。


 叫ぶというより吠える。

 ルヴァのこんな声、初めて聞いた。

 同時に、ルヴァの体から、なんか出てる。

 一気に吹き出したのは――。


(気体?)


 いや、違う。

 なんか、きらきらっていうかギラギラっていうか、それこそ命の輝きみたいな感じのものが、ルヴァの体からガンガンに流出してる――。


(こ、これって、出たらダメなやつじゃないの?)


 私の不安をよそに、それはそのままぐるぐる渦巻いて、まるで嵐みたいに部屋の物をなぎ倒していく。


「まずい、魔力暴走だ……!」

 

 スィーヤが焦った声で発した言葉に、私はハッとした。

 魔力暴走。

 

(それ、ゲームで聞いたことある!)


 ティアが攻略キャラと起こすイベントの一つだよ!


 過去のトラウマ(村を滅ぼされたからね)で、瘴魔と連戦イベントの後、ティアは自分が助けなきゃ守らなきゃって追い詰められて、魔力を暴走させる。

 それで湧き出てくる瘴魔は一掃出来たんだけど、ティアの体から魔力流出が止まらない。 このままじゃ、ティアが死んじゃう――ってことで、一番好感度高いキャラが、魔力暴走止めて以降個別ルートに入るんだった。


(え、待って、それじゃあ、ルヴァも……)


 このままじゃ、死んじゃう?


 ――そんな、まさか。

 けれど、スィーヤは障壁は張りつつも、青い顔で動かない。


 そこへ、ルーカッセン公爵やティア、執事さんも駆け付けてきた。

 かなり大きな音がしたから、そりゃあ来るか――でも……。


「ぼ、坊ちゃま! 坊ちゃま、いかがなされました!」

「一体、なにが……!?」

「近づいてはダメだ! 今、この子は我を忘れている!」


 執事さんがルヴァを見て顔を青くし、心配そうな悲鳴を上げる。

 ティアは、窓やら壁やらぶち壊すルヴァの魔力暴走を見て、驚いた顔をしてスィーヤに視線を向けた。

 スィーヤは、駆け付けた三人にそれ以上近づかないように釘を刺してたけど……。


「ティア、この場は危険だ。離れよう」


 公爵だけは、ルヴァのことを見ていなかった。

 ティアを抱きかかえて、この場を離脱しようとしている。

 ――いや、たしかにティアは関係ないし、安全を考えれば離脱するのは間違ってないんだけど……。


(普通、公爵まで行く? 父親が、息子のピンチに、他人様の娘さんを抱っこして退場しようとする!?)


 ティアのことは執事さんに託して、少しはこの場に留まってなにかしようとしろよ!

 そう思ったのは、私だけではなかったようで、スィーヤが声を上げた。


「公爵! ご子息は今、魔力暴走の状態にあります! このままでは命に関わる! ――血縁者ならば、魔力の質も近いので、静めることができるかもしれない! 彼に触れて……――」

「断る」

「……は?」


 即答に、スィーヤが能面のような顔で、低い声を出した。


「旦那様!? 坊ちゃまが危険なのですぞ!?」


 執事さんも仰天して、公爵をこの場に押しとどめようとしている。

 だけど、公爵の返答は最悪だった。


「自業自得だろう。自制心のなさが露呈して、恥ずかしい限りだ。静める方法以外にも対処法があるだろう、宮廷魔術士殿。貴方の力量ならば、可能なはずだ。私はティアを安全な場所に避難させておくので、後はお任せする」


 ティアは青い顔で、大人たちの顔を見上げている。


「あ、あの、私より……ご子息が――公爵様」

「さぁ、ティア。ここは危険だから、向こうへ行こう」


 公爵も障壁を張っている。自分とティアにだけ。

 執事さんも、魔術の心得があるんだろう。障壁を張っていた。

 ただ、公爵の言葉が聞こえたようで、信じられないと言いたげに主人を見ている。


「旦那様、お待ちください――」

「公爵! 私が対処してもかまわないが、その時は、ご子息は無傷というわけにはいきません。それでも――」

「かまわん。好きになされよ」


 スィーヤが、本当にいいのかと念押しするように告げても公爵は眉一つ動かさなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ