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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
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84.テスト対策はバッチリ⁉


第84話



新学期が始まり9月中旬に差し掛かった頃、


「ではこれよりテストを開始します。カンニングや名前の書き忘れがないように気をつけて下さいね。」


『『は~~い‼』』


皆の返事を聞くと、クラスの担任によってテスト用紙が配られ始めた。


(ついにこの日が来ましたか...皆さん、頑張って下さいね‼)



私はテスト用紙が自分の手元に渡るのを待ちながら、5日前の事を思い出していた。





・・・・・


「玲奈様‼もうすぐテストですね!」


「奏ちゃん、落ち着いて...」


私達が通う明成学園では、生徒は初等部2年生になって以降、数ヵ月に1回テストがおこなわれるようになる。


「今回は初めてのテストという事で漢字のテストだそうですね。」


「まぁ、漢字なら比較的簡単ですからね...」


すぐ近くで清芽ちゃんと沙友里ちゃんもテストの事で話し合っている。


明成学園初等部の授業で学ぶ教科は1、2年生のうちは国語、算数と普通の学校ならお馴染みの科目と、簡単な日本史や現代社会などだ。あと、音楽や図工なんかも習う機会がたまにあるがテスト科目ではないのでそこまで気にしてない。


なぜ、初等部のうちから日本史や現代社会といった科目を習うのかはよく分からないが、恐らく、この学園に通う子供達のほとんどが貴族であり、将来的には貴族院に所属したり、大会社の長となったりと、この国の政治や経済を支えるほどの重鎮になる者も少なくはない。それを踏まえて幼い頃から自分達の国に対する知識を持ってもらおうという考えなんだろう。


そのため、明成学園では普通の学校ならお馴染みの生活科も存在しない。その分を日本史や現代社会の授業に費やしてるため、明成学園に通う子供達は他の学校の子供達と比べてこの国に対する知識が育つスピードが明らかに早いのだ。


(そう思えば今回のテストが漢字で本当に良かった...)


とはいえ、さすがに2年のうちに日本史や現代社会のテストをするのは子供達にとって結構大変なのだと教員側も分かっていたらしく、今回のテストは国語、しかも今回は初めてのテストという事で漢字のみという大サービスなものだ。


「私、基本的に勉強は苦手ですけど漢字なら何とかいい点とれそうです!」


「私...大丈夫かな?」


「落ち着いて姫由良‼この中で一番勉強が出来なそうな奏が言うなら安心だよ!」


「蛇茨⁉馬鹿にしてる?怒るよ...」


「冗談‼冗談‼...じゃないよ...」


「ちょっと!聞こえてるわよ‼」


奏ちゃんと蛇茨ちゃんがケンカという名のイジリ合いをして姫由良ちゃんがその様子を見てクスクス笑っている。


(本当にあの二人、仲良くなったんだな~。)


それはさておき、テストの話に戻るが、実際に私もこのグループの中で一番勉強が出来なさそうなのは見た感じ、奏ちゃんだろうか。それでも普通の学校ならば優等生の部類に入ると思っているが...


この学園では1年生のうちに簡単なたし算、ひき算、かけ算、わり算、小数、分数は全て習ったり、2年生に上がってすぐにこの国の社会問題とかを教わったりするくらいのレベルなのだ。単に学力が高すぎるといった所だろう。


グループの皆を勉強ができる順に並べると、沙友里ちゃん、清芽ちゃん、優里ちゃん、蛇茨ちゃん、真里愛ちゃん、姫由良ちゃん、奏ちゃんの順番になるだろう。特にミラピュア本編では決して頭が良くなかった筈の沙友里ちゃんが今世では私に次ぐ学力を持っていたのは意外だった。


「玲奈ちゃんは成績優秀ですから問題なさそうですね。」


「優里ちゃん、そんな事はないですよ。それでも万が一の事もありますから。」


ちなみに私に関しては前世では病気のせいで学校にほとんど通えていなかったが、その分、家で勉強していたので中学3年レベルの学力は朝飯前である。今では家庭教師に頼んで高校レベルの勉強を教えてもらってるくらいなのだ。よって、今回のテストは楽勝そのものなのである。


「では皆さん、くれぐれも悪い点を取らないようにお互いにテスト勉強を頑張りましょう‼」


『『もちろんです‼』』


もし、私達のグループの中で今回のテストの点が悪い子がいたら、所詮は生まれた家が良いだけのバカとそれに群がる虫みたいに思われてしまうかもしれない。これからも楽しい学園生活を送る以上、そんな事は絶対にあってはならないのだ。



こうして私達は5日後のテストに向けてそれぞれ勉強に取り組んだのだった。




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