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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
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82.解決‼...とはいかなかった...


第82話



「全く...玲奈お嬢様がどれだけ怖がられていたと思ってるんですか⁉」


「すみませんでした...」


謎の人影事件はなんとか無事に解決したが、今回の一件で犯人探しや屋敷の緊急警備などで岩倉家の人間全てが振り回されたのも確かだ。よって今現在、滓閔は私の部屋で姫香に絶賛お説教中だ。


(退院できて早く私達と会いたいって気持ちも分かるけどね...)


滓閔はまだ7歳の女の子だし仕方のない部分もあるかもしれない。それでも明成学園に通う人間として、今後はこのような軽率な行動は慎まないといけない。


「ふぅ...今回はご主人様や奥様が仕事の都合で朝早くから不在だったから貴女は私にちょっと叱られるぐらいで済んだんですよ!不幸中の幸いでしたね...」


「はい...」


大げさだと思うかもしれないが実際そうだ。私の両親はゲームと同様、私に対して非常に過保護で、私に危害を加えようとする人間は一族まとめて社会的に抹殺しようとするレベルなのだ。今日ほど両親が不在で良かったと思う日があっただろうか?


私がそう安堵していると、


「あっ‼滓閔ちゃん!久しぶり~‼退院できたんだね‼」


醒喩に頼んで万が一に備えてあらかじめ別室に避難させていた陽菜が私の部屋に入ってきた。


「陽菜さん‼お久しぶりです!玲奈様や陽菜さんに会いたくて来ちゃいました!」


「滓閔ちゃん~‼私も会いたかったよ~!入院中は会えなくてごめんね~‼」


(やれやれ...でも二人とも良かったね。)


お互いに久しぶりに会えて喜んでいる陽菜と滓閔を私は微笑ましく見守っていた。



こうして謎の人影事件は無事解決し、岩倉家に平和が戻ったと誰もが思っていた...






「ケハイガチガウ、ケハイガチガウ...オレガカンジタケハイジャナイ...カスミンヲオトリニシテニゲラレタカ...」



一人...いや、一羽を除いて...






・・・・・


とある場所にて、


「...はい、何とか気づかれなかったようです...しかし、何故岩倉玲奈を監視する必要があったのですか?彼女が私達の脅威になるとは到底思えませんが...」


『それは君が知る必要はないよ。君は私の言う通りに動けばいいのだから...』


「はぁ、そうですか...」


一人の女が何者かと連絡を取っていた。彼女こそが岩倉家の人影事件の真の正体だった。


「報告は以上です。」


『そうか、ではこれからも頼んだよ。なにせ君は我々の期待の戦力だからねぇ...()()()()()()。」


「はい...」


全ての報告を終え、通話を切ると彼女...烏丸七蝶は今日一日の事を振り返っていた。


(本当に上手くいったのかしら?何か悪い予感がして仕方ない...)


岩倉家の物置小屋で身を隠していた時、誰かに見られてる気配がしたのでその方角をチラッと見ると、岩倉陽菜の部屋の窓から一羽の不気味な色をした鳥がじっと七蝶を見ていた。最初こそはたかが鳥だと気にも止めていなかったのだが...


(あの鳥からただならぬ気配を感じたんだよね...)


その鳥は七蝶に気付かれたと思ったのか、そのまま飛び立っていってしまった。


『すぐに逃げろ‼あの鳥何かおかしい!』


七蝶の直感がそう告げる。


幸いなのか、このタイミングで七蝶の後ろから別の侵入者が近づく気配がした。そう、滓閔である。


(可哀想だけど擦り付けさせて貰うわ。)


そこで七蝶はフィクサーが玲奈達を引き連れて戻ってくる僅か数分のうちに滓閔に見つからないよう警戒しながら岩倉家から脱出した。そして入れ替わりに物置小屋に現れた滓閔に全てを擦り付けたのだ。


その結果、謎の侵入者の正体は滓閔であると岩倉家の者達は信じ込み、七蝶の存在がバレる事はなかった。


(しかし、もう彼処に侵入するのだけはごめんだわ。生きた心地がしないし、特にあの鳥には会いたくない...)


あの鳥はひょっとすると七蝶が滓閔に濡れ衣を着せた事に気づいているかもしれない。だとすると次に侵入した日にはどうなる事やら...


(私達の功績は日の目を見ることはないけど、失敗はすぐ知れ渡ってしまう...だから今度の任務は慎重にいかないと...)



玲奈と七蝶が何らかの形で交わる日は近いのかもしれない...




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