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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
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79.尊敬されてるでOK?


第79話



「そういえばそんな事ありましたね...今思えば黒歴史です...」


「えぇー‼どうしてですか?あの時の玲奈お姉様はかっこ良かったのに‼」


莱們ちゃんの話が一通り終わると私は率直に思っていた事を口に出す。基本的に前世を思い出す前の出来事は私にとって黒歴史でしかないからだ。思い出すだけでも嫌な気分になる。


「それで、玲奈お姉様と再会した時はもっと驚きましたよ‼口調がだいぶ違ってたし、おしとやかになってたし...」


「だろうね...」


前世を思い出して間もない頃、私が三条家を訪れた時は何故か莱們ちゃんの性格が丸くなっており、再会するなり『玲奈お姉様』と呼ばれたかと思うと、私が返事をした途端に驚いた表情をしていたりといろいろあったっけ...


「でも私への想いが変わってないって事だけは分かりましたよ!だから私は今でも玲奈お姉様を尊敬してるんです‼」


「莱們ちゃん...」


「えっ⁉玲奈お姉様?」


莱們ちゃんのその言葉に嬉しくなった私は思いっきり莱們ちゃんを抱き締めた。


(こんなに自分を尊敬してくれる可愛らしい妹分と絶対に敵対なんてしない‼そして不幸にもさせないんだから!)


そう思うと自然と抱き締める力が強くなる。


「玲奈お姉様~‼」


莱們ちゃんもそんな私を見てなのか、思いっきり抱き返してくれた。本当に可愛らしい子だ。


そうやって莱們ちゃんを抱き締め続けていると、


「玲奈お姉様、やはり耀心が惚れるわけですね‼」


莱們ちゃんがふと思い出したかのように口を開いた。てか、今何って言ったの⁉耀心くんが私に惚れてるだと?彼はミラピュアでのヒロインの攻略対象の一人でゲームでも玲奈お嬢様を尊敬はしても恋愛感情までは持ち合わせていなかった筈だが?


「耀心くんが私にですか?まさか~‼」


そうはぐらかしてみるが莱們ちゃんはため息をついて、


「はぁ...玲奈お姉様は鈍いですね...まぁ、私としてはいいんですけど。」


少し呆れたような目をして私を見てきた。


(ちょっと待って⁉今ので失望とかされてないよね⁉)


私は少し不安になったが、決して顔には出さずにその後も莱們ちゃんと会話を続けた。


「仮に私と耀心くんが結ばれるとしたら莱們ちゃんはどうしますか?」


「私は反対ですよ!それだと私が玲奈お姉様の義理の姉になっちゃうじゃないですか‼私はずっと玲奈お姉様の妹分でいたいんです!」


莱們ちゃんは私と耀心くんが結ばれる事には反対の立場のようだ。まぁ、今の彼女の性格上、今まで姉のように慕ってきた女性をいきなり妹として扱って、自分は姉として振る舞うなんてできやしないだろうね...


ちなみにこの返答は私にとっても好都合だ。私は破滅回避の為にもゲームの攻略対象とは基本的に必要最低限の関わりに留めたい。実際に兼光とも月に1、2回ほど文通をするか、三聖室で必要最低限の会話をする程度の関係だ。


「うふふっ‼じゃあ今のうちに『莱們お姉様』って呼ぶ練習でもしてみようかしら。」


「ちょっと‼それだけはダメ!玲奈お姉様‼くれぐれも耀心とだけは結ばれないで下さいね!...てか、私と結ばれてくださいよ...なんて...」


「えっ⁉あっ...はい?」


最後の方はよく聞き取れなかったけど、今のところは莱們ちゃんは私の事を姉のように尊敬してくれてるみたいだし、私と耀心くんの婚約にはしっかり反対してくれてるようだから、今後ヒロインが現れても耀心くんルート関係で揉める事はなさそうだ。



そう確信した私はその後も門限が来るまで莱們ちゃんとワイワイおしゃべりを続けたのだった。




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