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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
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75.私って意外と重要人物?


第75話



「玲奈‼夏休みは何か予定はあるか?」


「いいえ、二条様。今の所は特にありませんよ。」


「おい、今は二人っきりだぞ。」


「あっ、そっか‼特にないよ、兼光君。」


夏休み前日という日にさしかかった頃、誰もいない三聖室で私は兼光に話しかけられた。


「いい加減、慣れてほしいぜ。」


「そう言われてもねぇ...」


ちなみに私達はつい最近だが、二人っきりの時はお互いに『玲奈』、『兼光君』と呼ぶようになり敬語もやめた。そのため何だか少し距離が縮まった気もする。


(まぁ、私と結婚する気がないにしろ気安い女友達にでもなれれば破滅を回避できるし、私としては好都合だよね!)


(よっしゃー‼この調子で玲奈と仲を深めるぞー‼そして俺に惚れさせてみせるぜ‼)


当の二人の思惑は見事にすれ違っていたが...


「もし、予定がないんならまた二条家に来ないか?」


「いや~、前に貴方のお母さんとひと悶着あったからね~。当分あそこはごめんかな...」


春休みの一件から私の印象は兼光の母、二条美嵩様から見れば最悪だろう。だから、今はほとぼりが覚めるのを待ちたい気分だ。


「まぁ、確かに...近いうちに二人が和解できるよう俺が取り成してやるから...あんまり気負うなよ。」


「ありがとう、兼光君。」



こんな感じで2年生1学期の生活はあっという間に終わりを告げたのだった。





・・・・・


その日の夜、


「麻呂さん!それはどういう事ですか⁉」


「どういう事かと言われてもなぁ...」


私は久しぶりに夢幻世界で麻呂さんと会う事ができた。前回の強制シャットダウンの件から私は見放されてしまったのでは?なんて思ったがそんな事もなかったらしい。


そんな麻呂さんに私が問い詰めている理由...それは、


「倉聟さんの事知ってたなら早く言って下さいよ!」


「いや、言わない方が何か面白い気がしてな。」


何と麻呂さんはもう一人の転生者である倉聟さんの存在を以前から知っていたというではないか。


(いやいや!この人私を何だと思ってるの⁉)


本当に子孫である私を助けたいという気持ちがあるのか怪しく思えてしまう。やはり、生前は大罪人という人格は死んでも変わっていないのだろうか。


「こんな状況で申し訳ないがもう1つ悪い知らせ...というより忠告だ。」


「はぁ...今度は一体何なんです?」


もう、これ以上聞くのも憂鬱になっていた私に麻呂さんは口を開いて一言、


「岩倉玲奈、お前は自分の存在を軽視しすぎだ。あんまり無茶するな。」


「はい?...って‼ちょっと!」


私は言葉を返す暇もなく、またもや強制的に夢幻世界から追い出されたのだった。





・・・・・


次の日、


「お父様、本当にありがとうございます‼」


「いやいや、可愛い娘を守るのは親として当たり前の事だよ。」


麻呂さんが放った言葉が気になった私が父に問いただしたところ、何者かが私に危害を加えようと刺客を放っていたらしいのだ。それも、何回も何回も...


父はその度に事前に察して私の護衛に命じ、秘密裏に刺客を処分していたんだとか...父は私がショックを受けるのを避けようと今まで黙っていたらしい。


(最近、護衛の数が増えたのはこのためだったのか。)


私を含め明成学園に通う貴族達には外出などには当然護衛がついている。もちろん、友達と遊びに行くとかのプライベートな場合は護衛達は極力、それぞれの主の目に映らないように配慮してうまく隠れており、いざという時だけ姿を現すようにしている。


上位の貴族であるほど護衛の数は多いが、公爵令嬢の私も例外ではない。というか私の場合は年を重ねるにつれ、どんどん護衛の数が増えている事が気配で分かっていた。


「てっきり、お父様の過保護が過ぎるなんて思ってましたがこのためだったんですね。」


「あぁ、念には念を入れたというわけだ。」


前世が病人の私から見れば、公爵令嬢なんてただのお金持ちのお嬢様程度の考えだったが甘かったようだ。この世界の公爵家はたくさんの会社や企業を経営している名家だ。全ての公爵家の会社や企業を合わせるとこの国の経済の半分近くを占めるというのだからその凄さが分かるだろう。しかも派閥の家の企業や会社も加えれば割合はもっと増えるのだ。つまり1つの公爵家が取り潰しになるだけでこの国の経済がどうなるのか言うまでもない。


そんな公爵家の令嬢として生まれた私に何かあったとしたら...


「ところで刺客について少し気になっている事があるんだ。」


「刺客が...どうかしましたか?」


さっきまでは穏やかに笑っていた父が急に真剣な表情をして話し始めた。



「実は今回の刺客の中に三条家と中山家なかやまけ、この2つの家の人間の手の者がいたんだが玲奈は何か心当たりはないか?」




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