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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
72/315

70.謎のおばあさん再び‼


第70話



「玲奈お姉ちゃん‼はやくはやく!」


「全く陽菜ったら...そんなに急がなくてもゲームは逃げないので安心してください。」


とある休日、私は陽菜と萌留ちゃん、そしてなぜか滓閔も連れて近くのゲームセンターに遊びに来ていた。


なぜこんなことになったのかというと、最初は私と陽菜だけで遊びに行くという話だったが、陽菜がせっかくだから仲良くなった萌留ちゃんと滓閔も誘いたい‼と言い出したからだ。陽菜からしてみれば姉である私と遊びに行くとなればついでに友達も誘えばもっと楽しい1日になるだろうという考えに至るのは理解できなくもない。


「玲奈お姉ちゃん‼私あれやりたい!」


「萌ちゃん、クレーンゲーム得意なんですか?」


「全然‼でもやってみたい!」


萌留ちゃんは私の事を玲奈お姉ちゃんと呼んでくるようになった。どうやら私と接するうちに私が本当のお姉ちゃんに見えてきたらしい。初めて呼ばれた時こそ、ちょっと驚いたが今ではもうすっかり慣れている。私の方も彼女の事は萌ちゃんと呼んでいたりと中々良い関係だと思う。


その一方で...


「玲奈様!良いのですか⁉もし萌留ちゃんが負けたりでもすれば...どっかに売られたりするかもしれないんですよ‼」


「あの...滓閔ちゃん?それは悪い人間絡みの賭博場での話ですよ。ここではそんな事って絶対にあり得ませんから...もしそうだったら皆こんな楽しそうにしてませんよ。」


「あっ...そうでしたか‼」


「滓閔ちゃん...」


この子とはどう接すればいいか分からない。普通に考えればゲームの時のように敵対することがないように懐柔するという案が浮かぶだろう。だが、ミラピュアでは天然ながらもヒロインをサポートするというキャラなのだが、どうも目の前にいる今の彼女とは結びつかない気がするのだ。


しかも滓閔は清芽ちゃんや奏ちゃんと違い、私と関わる前からキャラがおかしかったという点も気になる。


(もしかして滓閔も転生者で今は私と無闇に争うのを避けようとしている?まさかね...)


「玲奈お姉ちゃん‼滓閔ちゃん‼早く遊ぼうよー‼」


「二人も一緒にゲームしよー‼」


私が滓閔に構っているうちに陽菜と萌留ちゃんがどうやら待ちきれない様子で私達を呼んでいた。その駄々をこねる二人の様子が前世の妹そっくりで無意識に何か感じたのか私に笑顔が戻った。


(まぁ、難しい事は忘れて今はとにかく皆でいっぱい遊んでいい思い出にしよう!)






2時間後...


「玲奈お姉ちゃん‼こんなにぬいぐるみとれたよ!」


「こっちもお菓子がたっぷりだよ!」


「陽菜、萌留ちゃん良かったですね。」


私達はクレーンゲームやメダルゲームをしたり、プリクラで写真を撮ったり、ポップコーンを作ったりといろいろ楽しむ事ができた。


「それにしても滓閔ちゃんがプリクラ好きだったのは意外だったねー‼」


「確かに...」


滓閔は何回もプリクラを撮っていた。美意識が高いのか、それとも単にプリクラ自体が好きなだけなのか分からないがそれぐらい滓閔はプリクラに熱心だったのだ。


「全く滓閔ちゃん...って、あれ⁉滓閔ちゃんは⁉」


「そういえば私はさっきから滓閔ちゃんを見てないね...陽菜ちゃんは見てる?」


「私も見てないんだよね...何かあったのかな?」


私達がいつの間にか姿が見えなくなった滓閔ちゃんを心配していたその時だった。


「おい‼誰か救急車を呼んでくれ!女の子が苦しそうにしている!」


プリクラがある方から男の人の声が響いた。いったい何事かと他の客達もプリクラがある方に向かい始めた。


「まさか滓閔ちゃんじゃ...」


「とにかく行ってみましょう!」


「うん!」


こうして私達3人はプリクラに向かったのだった。






・・・・・


「嘘でしょ⁉滓閔ちゃん‼」


プリクラに行ったところ、悪い予感は適中した。男の人に抱えられて気を失っていた女の子は他でもない滓閔だったのだ。


「すみません‼これはいったいどういう状況ですか?」


「あっ‼お嬢ちゃん達‼この女の子の知り合いか⁉実はな...」


滓閔を見つけた男の人に話を聞いたところ、この人は滓閔と入れ違いでプリクラに入ろうとしたのだがその瞬間、後ろで何かが倒れる音がした。男の人が振り向くと滓閔が倒れていて頭を抱えて苦しそうに唸っていた。滓閔は間もなく意識を失い、流石にこれはただ事ではないと判断した男の人は周囲に助けを求めたらしい。恐らく滓閔はプリクラを出て私達と合流しようとした矢先の事だったのだろう。


(どうしてこんなことに...)


滓閔はつい30分前まで体調が悪い素振りなど全く見せなかった。むしろ、元気が有り余っているくらい騒がしかったというのに...


「救急車が来たぞー‼」


「こっちです!早く‼」


私達は衝撃が大きすぎて救急隊員に担架で運ばれていく滓閔をただ呆然と見送る事しかできなかった。






数日後...


「はぁ...」


私はため息をつきながら外を散策していた。いまだに滓閔の意識は戻ってないらしい。いったい彼女の身に何が起こったのか麻呂さんにも聞いてみたが何の手ががりも得られなかった。そんな憂鬱な気持ちだったせいか私は近くにいる人物の気配に気づけなかった。


「ちょいとお嬢さん。」


「はい...って‼貴女はあの時の⁉」


「久しぶりだねぇ。」


声がした方をみると私が初めて徒歩で下校した時に出会ったおばあさんが立っていた。手にはあの日と同じように変わった色をした水晶玉を持っている。


「あの時は確信が持てなかったがやっと分かったんじゃ。」


「どういう事ですか?」


次の瞬間、おばあさんから出た言葉に私は耳を疑う事になる。



「ひょっとすると()()()()()転生者なんじゃないのかね?」




おばあさんは45話にて玲奈と会っています。

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