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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部2年生編
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64.強制シャットダウンは大迷惑‼


第64話



「なるほど...つまり玲奈が言うにはその子はやらかした後の記憶を失っているというわけか。」


「麻呂さん、何か分かりましたか?」


その日の夜、久しぶりに夢幻世界で麻呂さんと出会えたので私は滓閔の事を話してみた。


「済まないが情報量が少なすぎるな...そもそも彼女自身に原因があるのか、それとも他に何か原因があるのか...」


「そうですか...」


実際、私はもう少し滓閔の情報を麻呂さんに言おうと思えば言える。なのに何故そうしないのは麻呂さんが私は転生者だと知ったら何やら悪い事を企むかもしれないからだ。


私の前ではのほほんとした態度を見せているが決して騙されてはいけない、この人は極悪人なのだ。


「ひょっとするとその滓閔という娘は何かに操られてるかもしれんな。」


「あり得なくはないです...でも何かに操られてるならもっといい使い方をすればいいのに...わざわざやらかした後の記憶を消すだけなんて............ん⁉」


「玲奈よ、どうしたんだ?」


自分で言ってるうちに思い付いてしまった。この世界の人間を操る事も不可能ではない存在が目の前にいることに...


「まさか麻呂さん...貴方ですか?」


「おい!何で私が疑われてるんだ⁉」


そう言うと麻呂さんはまるで『こいつ何言ってるんだ⁉』といわんばかりの顔で私を見ていた。


「だって昔散々悪い事されたようですし、本当に改心したかどうかも分かりませんから。」


「なっ...あのな、私はな!お前と夢幻世界で話す時以外はずーっとずーっと地獄で裁きを受ける日々なんだぞ‼そんな中で今さらまた悪い事ができるわけないだろおぉぉぉ‼」






「静かに...ってあれ?」


麻呂さんに怒鳴られたと同時に私は強制的に夢幻世界から追い出されてしまったようだ。


(おいおい...こんな時間にシャットダウンされちゃ困るんだけど‼寝不足確定じゃん‼)


時計の針はまだ午前2時30分を指している。いつもなら熟睡中の時間だ。それなのに無理やり起こされてしまったのだから私としては大迷惑だ。


「暇だよ~、すぐには眠れないしどうしよ...」


私が枕を抱き締めて泣き言を言ってる時だった。


「レイナ、ヒマカ?ヒマカ?」


パタパタと紫色の翼を羽ばたかせながらフィクサーが私の部屋に入ってきたのだ。


「フィクサー起きてたの?陽菜の部屋にいたんじゃ?」


「ヒナハトックニネタ!オキテルノレイナダケ!」


そう言ってフィクサーは私の肩にとまった。


「ねぇ、眠れないんだけど...どうすればいい?」


「ダッタラフタリデオハナシ‼ソノウチネレル‼」


「そっか‼...それとね!朝になったらちゃんと起こしてよね‼」


「オッケー‼」


そんなわけで私はフィクサーと学園の事や陽菜の事でワイワイお喋りをした。相変わらずフィクサーの素性は教えてもらえなかったが...


こうして私はフィクサーと夜明け近くまで話し続け、いつの間にか再び眠りについたのだった...





翌朝、


「玲奈お嬢様‼お急ぎ下さい!始業時間まであと僅かです!」


「ねむ~い、ってヤバイ!遅刻しちゃう...」


「車の準備は出来てますので早く‼」


案の定、寝坊した私は姫香に急かされて眠気が抜けないまま登校する準備をする羽目になったのだった。


「もう!フィクサー‼寝過ごしたら起こしてってあれほど言ったでしょー‼」


しかし、元凶の鳥はそこにはいなかった。



あとで陽菜から聞いたがその頃、フィクサーは私の事など知らんとばかりにいつの間にか陽菜の部屋に戻り、スヤスヤと眠っていたんだとか...




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