59.2年生になりました!
遂に2年生編突入です!
第59話
「では、いってきますね。」
「いってらっしゃいませ、玲奈お嬢様。」
「イッテラッシャイマセ‼」
送迎用の車を降りた私は姫香となぜか車に乗ってきたフィクサーに見送られ学園の玄関に向かった。その直後、後ろで姫香とフィクサーが何やらギャーギャーと喧嘩をしてるような声がした気がしたがきっと気のせいだろう。
「あっ‼玲奈ちゃん、ごきげんよう。」
「玲奈様‼おはようございます!」
「玲奈ちゃんおはよう!」
玄関に着くと既に私以外のグループのメンバーが勢揃いしていた。清芽ちゃんや奏ちゃんはともかく、いつも歩いて登下校で普段なら私達よりも後の時間に学園に来る姫由良ちゃんや蛇茨ちゃん、なぜか遅刻ギリギリの時間に来る沙友里ちゃんまでいる。
「皆さん、今日は早いですね。」
「はい!今日から2年生になるので皆で新しいクラス分けの掲示板を見に行こうと思いまして‼玲奈様を皆で待ってました!」
ニコニコと笑顔を浮かべながら元気にそう答える真里愛ちゃんが可愛らしい。
「あぁ~‼真里愛ちゃん‼ありがとう!ありがとう!だ~いすき!」
「れっ...玲奈様⁉」
ゲームでは目上の人間の顔色を浮かべるばかりでオドオドビクビクしていた真里愛ちゃんが心からの笑顔で話しかけてくれるのが嬉しくて思わず私は真里愛ちゃんを抱き締めてしまった。
「玲奈ちゃん‼真里愛ちゃんばっかりズルイです‼」
「玲奈様‼私も抱いて下さいよ~‼」
「皆がそういうなら私も玲奈に抱きついてきてもらおうかな?」
なぜか他の皆も私に抱きついてきて暫くの間私達は団子状態になっていたのだった。
・・・・・
「これが新しいクラスですか...」
私達は掲示板に着くと自分のクラスを確認し始めた。
「私と沙友里ちゃんと姫由良ちゃんが1組ですね。」
私達のグループで1組に編入されたのは清芽ちゃんと沙友里ちゃんと姫由良ちゃんだった。清芽ちゃんと沙友里ちゃんは性格が似てる者同士だし、姫由良ちゃんも人懐っこい子だから仲良くやっていけそうだ。ちなみに余談だが兼光も1組だったりする。
「ふ~ん、私と優里と蛇茨が2組ね。」
2組に編入されたのは奏ちゃんと蛇茨ちゃんと優里ちゃんだった。奏ちゃんと蛇茨ちゃんは普段から仲が良いから問題ない。ただ皆から一歩引いてる事が多い優里ちゃんが孤立しないかちょっとだけ心配だ。
「大炊御門さん、大坪さん、よろしくお願いします...」
「蛇茨ちゃん‼優里ちゃんと同じクラスになれて良かったね!」
「べっ...別に嬉しくなんか...」
「顔に出てるよ~‼」
「ううっ...」
どうやら私の心配は杞憂だったようだ。蛇茨ちゃんは相変わらずツンデレを発動しているが何かと優里ちゃんの事は気にかけてくれそうだ。
そして3組に編入されたのは...
「やったー‼私と玲奈様一緒です‼抱き締めてもらえたうえ、クラスも同じなんて何だか今日の私は持ってますよー‼」
「真里愛ちゃん、落ち着いて...」
私と真里愛ちゃんだった。
「玲奈様と同じクラスになれた...これで玲奈様を独り占めできる‼...そして、私の存在感は増す!」
「あの...真里愛ちゃん?」
「これで私の空気令嬢の汚名も返上できますよね?」
(あぁ~...そういう事か...てか、もう充分目立っているような気がするんだけど...)
最近、誰も触れてなかったから忘れかけてたけど真里愛ちゃんはいまだにその肩書きを気にしていたみたいだね...




