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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
57/315

55.二条家訪問


第55話



「よう!玲奈、今日はよろしくな。」


「はい、二条様。」


ついにこの日がやって来てしまった。


今日は見ての通り、二条家を訪問する日だ。普通のご令嬢ならば兼光のご両親に気に入られるようにふるまわなければと気を引き締める場面だが私は違う。


(何としてでも兼光との婚約は避けなければ...)


むしろ逆に兼光の許嫁から外れるにはどうすべきなのか必死に頭を働かせていた。






・・・・・


屋敷に入った私はとある広い部屋に案内され、兼光のご両親が来るのを待っていた。


(やっぱ、二条家の屋敷は広いな~。)


並大抵の貴族の場合はパーテイーを開く時なんかはどこか広い建物を借りる事がほとんどだ。同じ門流の家だけを招待するなら自分達の家の屋敷でもいいが他の門流や格上の家も一緒に招待するとなると流石に敷地が狭すぎるのだ。


しかし、公爵家の1つである二条家は違う。ほとんどの貴族が招待された以前の大規模なパーテイーも自らの屋敷だけで開催できる程の敷地の広さを誇るのだ。流石に近衛家や一条家には劣るらしいがそれでも充分な広さだ。


私が改めてそう実感していると、


「いやぁ、待たせてすまないね‼パーテイー振りだったかな?岩倉玲奈君。」


兼光の父、二条継友様が入ってきた。


「いいえ、二条継友様...お構いなく。」


「なら良かった‼ところで玲奈君に聞きたいことがあってな。」


「何でしょうか?」


どうやら継友様はそこまで私の事を敵視しているわけではなさそうだ。どこか胡散臭い雰囲気だがこの人は案外まともなのかもしれない。


「実は兼光が君を許嫁にしたいと言っているのだが、玲奈君の気持ちを聞きたくてな。」


(やっぱり、その話だよね...)


二条家は公爵家なのだ。いずれは公爵家の当主になるであろう息子の恋愛事情をご両親が把握してないわけがないのだ。


「岩倉家は公爵家といえど新参の家でそのような事は大変恐れ多い事です。二条様には近衛家や九条家といった古くからの摂関家のご令嬢がお似合いかと。」


「そうか...」


私の返事を聞いた継友様はしばらく黙っていたが、やがて再び口を開きはじめた。


「兼光はな...とある女の子を亡くしてから他の女の子には一切心を開かなかった...なのにある日、急に新しく許嫁にしてほしい女の子がいるなんて言い出したものだから驚いたよ。」


「高野藍葉様の話ですね。」


「おぉ、兼光から聞いていたか。」


そういえば、継友様は藍葉を亡くした兼光に元気を取り戻させようと新しい令嬢を紹介したりと奮闘していたっけ...


「無理に許嫁になってほしいとは言わない、君もまだまだ子供だからな。ただ玲奈君に一つだけ礼を言わせてほしい。兼光の心を癒してくれて本当に感謝しているよ。」


「継友様...」


(この人ほんとに息子思いなんだな...)


私がそう感心してると、


「あら~、あんたが成り上がりの岩倉家の小娘ね‼いや~ね~、全くこんな女にそそのかされるなんて兼光が可哀想なこと‼オホホホホッ‼」


高笑いとともにいかにも自分は悪女だというオーラを纏った女性が部屋に入ってきた。


彼女こそが兼光の母、二条美嵩様だ。


(ついに来たか...)


さぁ、ここからが本番だ。



絶対に兼光の許嫁から外れてみせるんだから!




次回で二条家訪問編は終わります。

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