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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
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51.新学期


第51話



冬休みはあっという間に終わり今日から新学期だ。


「玲奈ちゃん、ごきげんよう。」


「玲奈様‼おはようございます!」


「清芽ちゃん、奏ちゃんごきげんよう。」


私は清芽ちゃんと奏ちゃんと挨拶を交わしながら教室へ向かっていた。


「玲奈ちゃん聞きましたか?冬休みの間に明成学園初等部の校長が辞任したそうですよ。」


「はい、その話なら聞いてますが...」


「何か裏があると思いませんか⁉」


「そうですね...」


私も初めてその報告を聞いた時は驚きを隠せなかった。明成学園初等部の副木芳文校長の急な辞任...表向きは加齢による急病が理由になっているが実際はどうなんだろう?外部から学園へ何らかの圧力があった可能性も否定はできない。ただ、副木校長に怪しい点はほとんどなかったと言える。


...1つを除いて


「それ私も気になります!噂によれば校長は例の若い警備員とたびたび何やら密談してたそうです‼そいつが今回の件に関わってるんじゃないですか⁉」


奏ちゃんが言った噂ももちろん、私の元へ報告されている。まず例の若い警備員は名を堀上硲ほりかみはざまという20代前半の男性だ。一見、彼はどこにでもいるような普通の警備員にしかみえないのだが他の警備員と異なる点が1つあった。


それは彼が副木校長と二人っきりで何やら密談してる事があるという点だ。堀上さんの家自体は普通の一般家庭であり、学園に圧力をかけることなど不可能なはずだ。噂はともかく副木校長辞任の件に関しては堀上さんが関与しているとは考えにくいんだけど...


「まぁ、この事を私達が話していてもたいして意味はありませんね‼では早く教室に向かいましょう!」


「そうですね。」


「えぇ...」


少し引っかかる部分はあったが結局この話題はうやむやになり、私達3人は教室へ向かったのだった。







・・・・・


午前中の授業が終わり昼食の時間だ。私達のグループは一般食堂に集合し、冬休み明け初の顔合わせをおこなっていた。


「...それでさ~蛇茨ちゃんったらね~、私だけじゃなくて優里ちゃんも家に呼んだんだよ~。そして優里ちゃんが来たと聞いたら顔が明らかに喜んでて...」


「バッ...バカ‼姫由良あんた何言ってるのよ⁉私はただ自分一人だけじゃ姫由良が退屈するだろうと思ってね...」


「だったら他の人でも良かったんじゃな~い?」


「うぅっ...」


姫由良ちゃんが得意気に冬休みの思い出を話し始めて、それを聞いていた蛇茨ちゃんは相変わらず、もはやお馴染みのツンデレを発動していた。他の皆はそんな蛇茨ちゃんを微笑ましそうな表情で眺めている。


(まぁ、何はともあれ優里ちゃんも順調に皆と仲良くなれて良かったな~。)


私がそう安心していると、


「あの...玲奈ちゃん。」


「優里ちゃん、どうしたのですか?」


優里ちゃんが急に話しかけてきた。他の皆も何事かと私と優里ちゃんを見つめている。


「もし...もし良ければ今度私の家に遊びに来てくれませんか⁉」


「優里ちゃん...」


優里ちゃんは私達のグループに入りながらもつい最近までは、自分は元々敵対関係だったとかなど理由をつけて一歩引いた態度をとっていた。そんな優里ちゃんがここまで積極的になるだなんて‼冬休みに何かあったのだろうか?優里ちゃんも優里ちゃんなりに私達との仲を深めたいと思っているのだ。


...だったら、


「あっ‼ダメだったら全然...」


「ありがとうございます!お言葉に甘えてぜひ、遊びに行かせてもらいますね。」


私に断る理由などあるわけない。


「玲奈ちゃん...」


私の答えを聞いた優里ちゃんは目を輝かせて喜んでいた。それを見ると何故か私の方まで嬉しくなる。


「優里ちゃんだけズルい~。玲奈ちゃん‼私の家にも来てよ~‼」


「玲奈また家に来ない?」


「玲奈様‼私の家にも来てください‼」


「皆さん落ち着いて...」


優里ちゃんの様子を見てた他の皆も自分の家に来ないかと誘ってきた。さすがに優里ちゃんの家に遊びに行くといった手前、断れないし断る理由もない。



結局、私は優里ちゃんを含めグループ全員の家に遊びに行く約束をしたのだった。




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