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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
48/315

46.歴史は既に変わっている?1


第46話



冬が近づいたある日...



この日、私はグループの皆を私の家に招待して遊んでいた。



「また負けた~‼玲奈様‼もう一回勝負して下さい‼」


「奏...そろそろ諦めたらどうですか?」


「諦めれるわけないでしょ~‼」


「やれやれ...奏はやはり常識知らずというか...」


「あら~‼頭が固いだけのお嬢様には言われたくないわ~‼」


負けを認めたくないと駄々をこねる奏ちゃんとそれを見て呆れたような表情をしてため息をつく清芽ちゃん。そんな二人を見て私は前世でこのゲーム...ミラピュアをプレイしていた時の事を思い出す。


ゲームでの清芽ちゃんと奏ちゃんは玲奈お嬢様の取り巻き同士でありながら犬猿の仲であり、事あるごとにお互いに相手を追い落とす事ばかり狙って結果的に玲奈お嬢様の足を引っ張る形となっていた。


だが、今の二人はどうか。今も一見、喧嘩してるように見えるが二人とも本気でお互いを嫌っているような感じはしない。むしろ普段の二人は結構仲良しであり、たまにちょっとした喧嘩する事があっても本気の喧嘩をする事はない。つまり、『喧嘩するほど仲がいい』みたいな関係だったりする。というか、ちょっとした喧嘩というよりもじゃれ合いやいじり合いに近いようにも見える。


「あ~‼玲奈ちゃん‼好き好き‼」


「ちょっと...清芽ちゃん⁉」


清芽ちゃんがいきなり私に抱き着いてきた。まぁ、清芽ちゃんがこんな行動をするのは初めてではないのだが...


(清芽ちゃん...どうしてこの子はここまでキャラが崩壊しちゃったんだろう?)


ゲームの清芽ちゃんは玲奈お嬢様の事を菊亭家を守るための後ろ盾程度の存在としか見ておらず、忠誠心は皆無だった。そのため清芽ちゃんは玲奈お嬢様の前では常に作り物の笑顔を浮かべ、感情を見せる事はなかった。玲奈お嬢様の指示でヒロインをいじめる際なんかも早く面倒な仕事を終わらせたいみたいな感じでサクサク感が拭えなかった。そのためルートによってはヒロインに懐柔させられる事になる。


そんなキャラだったというのに...


「ちょっと‼清芽ばっかりずるいわよ!替わりなさいよ!」


「お断りします。私は玲奈ちゃんの初めてのお友達としてじゃれ合う権利があります!」


今の清芽ちゃんは私の事を『友達』と呼んでくれてるし、思いっきり感情をあらわにして私に甘えている。これが同一人物だと思えないぐらいだ。


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて下さい。奏ちゃんも抱き締めてあげますから。」


「ほんとですか?やったー‼それではお言葉に甘えて...」


こんな可愛い女の子二人に抱き着かれるのも悪くない。そう思って私が奏ちゃんを抱き締めた時、


「玲奈様‼奏ちゃんがいいなら私もいいですよね⁉」


「玲奈ちゃん、私もいますよ‼」


「真里愛ちゃん、沙友里ちゃん...」


隣の部屋にいたはずの真里愛ちゃんと沙友里ちゃんがやきもちを妬いたような顔をして私を見つめていた。


(この二人もゲームとは違ってきてるな~。)


ゲームの真里愛ちゃんは別名で空気令嬢と呼ばれていた通り玲奈お嬢様はもちろん、他の取り巻きからも存在を忘れられがちだった。さらには雛恵ちゃんが持ってきた発明品の実験台にされて何かと不運に恵まれるというほぼ良いとこなしのキャラだった。


だが、今回はゲームでの苦労を知る私が雛恵ちゃんを取り巻きに加えなかった事もあってキャラが大分変わっている。今の真里愛ちゃんは何かとやかましいポンコツキャラのイメージが強くインパクトも大きかったためか、私達の中で真里愛ちゃんの事を忘れるような子はいない。今の真里愛ちゃんにはゲームでみせた空気令嬢の面影はどこにもなかった。


「貴女達は後よ!隣の部屋にいたんだからね‼」


「何ですって‼いくら清芽ちゃんや奏ちゃんであろうと玲奈様は譲れません‼どいて下さいよ~‼」


それにゲームの真里愛ちゃんは自分の影の薄さもあって他の取り巻き達...特に侯爵家の清芽ちゃんや奏ちゃんに萎縮してしまっていたが、今ではその二人にも対等に物申すような肝がある子になっている。奏ちゃんもゲームとは違い、自分より下の者を見下すような事をしないからこそ成り立っている関係だ。


(私のせいかな?まさかね...)


初等部時代の玲奈お嬢様の取り巻き達の中で変わってないのは雛恵ちゃんと沙友里ちゃんぐらいだ。



この皆の変化が今後、吉と出れば良いんだけどね...




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