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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
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43.妹ができた!


第43話



「えっ?それってどういう事ですか?」


私は嘉孝さんの言葉に驚きを隠せなかった。本当の孫のように可愛がっていた陽菜ちゃんを私に譲りたいといってきたのだから。


「陽菜ちゃんは地下家とはいえ、れっきとした貴族のご令嬢なんだ。これからは貴族としてのふるまいや常識を学ばせなければならんのは玲奈ちゃんも分かっとるだろう?」


「えぇ、確かにそうですが...」


「貴族ではない儂にはそんな事を教える事はできん。だが、岩倉家なら陽菜ちゃんに最低限は貴族としての教育もしてもらえるだろうし、何より陽菜ちゃんは玲奈ちゃんにすっかりなついている。今さら引き離すのは酷だと思ったんだ。」


「嘉孝さん...」


まぁ、嘉孝さんの話も筋が通ってる。ただの老人がいきなり陽菜ちゃんを貴族令嬢として教育しろなどといわれたらそりゃ困るだろう。でも...


「えっ⁉玲奈お姉ちゃんが私の本当のお姉ちゃんになってくれるの⁉やったー‼うれしい‼」


「......」


笑顔で喜ぶ陽菜ちゃんの様子を見せられたらとても断れない。それに私も...


(陽菜ちゃんが私の妹に⁉可愛い~‼こういう妹欲しかったんだよね~‼小さい頃の美優みゆにそっくりだし。)


美優というのは私の前世の妹の事で小さい頃はたくさん一緒に遊んだのはいい思い出だった。月日を重ねるにつれ私が入退院を繰り返すようになっても欠かさずお見舞いに来てくれたり、臨終を看取ってくれたりと最後まで姉妹仲は良好だった。


今世では妹はいなかった...というより、そもそもゲームの玲奈お嬢様には妹がいないので今後も妹ができる可能性はなかったので残念と思っていた矢先、妹ができるだなんて...やはり、私が前世を思い出した事で歴史が変わったのだろう。


「分かりました。とりあえず、両親に相談してみますね。」


「うむ、いい返事を期待しておるよ。」


「では、今日は帰らせてもらいますね。莱們ちゃん行きましょう。」


「はい‼玲奈お姉様‼」


ひとまず正式な返事は後日という事になり、私と莱們ちゃんはそれぞれ帰路につくのだった...






「玲奈お嬢様‼すぐ帰ると言ったではありませんか‼」


「すみません...」


屋敷に着くと激おこの姫香からこっぴどくお説教を食らったのは別の話。






・・・・・


数日後...



「ようこそ‼陽菜ちゃん。ここが貴女の新しいお家だよ。」


「わ~い‼玲奈お姉ちゃんと一緒~‼」


あれから両親に相談してみたが、意外にも二人はあっさりと陽菜ちゃんを家族に迎えることに賛成してくれた。母は『玲奈ちゃんに可愛い妹ができて良かったわね、大事にするのよ。』と言ってくれた。


奥田家との交渉や養子縁組の処理などについても、両親がしっかりと済ませてくれて本当に感謝しかない。ちなみに奥田家からしても疎ましい陽菜ちゃんを厄介払いができて好都合だったらしく、こちらの申し出に簡単に応じてくれた。


それを聞いた時はかなりムカついたが、特に揉める事もなかったので良しとするか...


そしてこの日が来た。今日は陽菜ちゃんを私達の家族として迎え入れる日だ。


「この子が奥田陽菜ちゃんか~。」


「玲奈ちゃんの言う通りとっても可愛いわね~‼」


両親はこの日、陽菜ちゃんと初めて顔を会わせる。


「陽菜ちゃん、この人達は私の両親で貴女の新しいお父さんとお母さんだよ。」


「はっ...はじめまして!陽菜です...」


流石の陽菜ちゃんも緊張しているみたいだ。新しいお父さんとお母さんと仲良くなれるか不安でいっぱいなんだろうな。あんなクズの貴族の家で育ったんじゃ、両親という存在がトラウマになっても仕方ないかもね。


「そう固くならなくてもいいんだよ。少しずつ仲良くなっていこうな。」


「そうよ‼私も新しいお母さんとして頑張るからよろしくね‼陽菜ちゃん‼」


「あっ...うん、よろしくね‼お父さん‼お母さん‼」


(良かったね。陽菜ちゃん...いや、陽菜。)


どうやら、陽菜はこれから私達の家族の一員として仲良くやっていけそうだった。もちろん、最初のうちは困難な事に直面する事もあるだろう。だけど、私は陽菜を家族として...いや、姉として可愛い妹を守って見せるんだから‼


「うむ。こちらこそよろしくな‼陽菜ちゃん...おっと、違うな...お前は今日からできた私達の新しい家族だからな...よろしくな‼岩倉陽菜いわくらひな、私達の二番目の娘よ。」



今日のこの瞬間、私達に新しい家族が生まれたのだった。




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