表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部1年生編
41/317

39.やればできるご先祖様


第39話



水族館観光はあっという間だった。いろんな海の生き物が観れたり、優里ちゃんとも本当のお友達になれたりといい思い出だった。


そんな私は今...


「私には友と呼べるような者はいなかった、いや何人かいたが全員が私から離れていったのだ。なぜなら...」


「まぁ、貴方にはできないでしょうね?ご先祖様。」


久しぶりの夢幻世界でクソご先祖こと麻呂さんの思い出話を聞かされていた。


「大罪を犯した貴方と一緒にしないで下さい‼」


「だからお前は私のようにはなるな。先祖としての情けの忠告だ。」


「言われなくてもそのつもりです!」


「口は悪いが聞き分けがいいのぅ。」


ゲームの玲奈お嬢様もこんなやつの相手をしていたのだろうか?もしそうだとするとゲームの玲奈お嬢様は麻呂さんの忠告を無視していたことになる。だから麻呂さんの存在も完全に軽視するわけにはいかない。


「そうだ。お前に行っておかなければならない事がある。奥田美留世とやらの件についてだ。」


「何か分かったんですか?」


前にも言ったが麻呂さんにも奥田一家の行方の手がかりを探してもらっていたが長いこと収穫ゼロの状態が続いていた。それなのに今さら何が分かったというのかな?


「近所の例の老夫婦の事は知っているな。」


「はい。小さい頃に何度か家にお邪魔させてもらった事があります。とても優しい人でしたがそれがどうかしたんですか?」


「実は奥田美留世の腹違いの妹がからくも魔の手から逃れ、その老夫婦の家に保護されているのだ。」


(えっ⁉)


初耳の情報だ。優里ちゃんからはもちろん、奥田一家の誰からも奥田美留世に腹違いの妹がいるなんて聞いてない。仮にも家族というのになぜ奥田一家はそんな重要な事を隠していたのだろうか?


「その子の名前は奥田陽菜おくだひな。現奥田家当主、奥田長埜おくだながのの妾の子だ。」


「妾ですか...」


「そうだ。そのせいか、奥田陽菜は長埜の正妻や美留世から見下され酷い仕打ちを受け続けたのだ。お前に彼女の事を言わなかったのも妾の子である彼女は見捨て自分達だけ助かろうという算段だったのだろう。」


「なっ...!!」


それを聞いた私の中で奥田一家の印象が180度変化した。前までは一家も黒幕に利用された被害者だと思っていたが考えが甘かったようで奥田一家は正真正銘のクズだったようだ。一家が失踪したのも自業自得というものだ。もはや奥田一家には同情できる余地がない。


「今度その陽菜っていう子に会ってみようと思います。」


「うむ、そうするといい。」


「ところで麻呂さん、前から気になっていたのですがどうやって情報を集めているんですか?」


「それはだな...あっ‼まずい...そろそろ戻らないとやつに気づかれてしまう!この話はまた今度だ‼」


「あっ、はい...」


何やら焦った様子の麻呂さんに一方的に会話を打ち切られ私は夢幻世界から目覚めるのだった。






・・・・・


数日後...


私が姫香に調べさせた所、確かに老夫婦の家に幼い女の子がいるという結果だった。そのため近いうちに陽菜ちゃんに会いに行こうと思っている。


(麻呂さんもたまには役に立つんだな~。)


生前は極悪貴族だったとはいえ、自称私のご先祖というだけあってなかなか侮れない存在なのかもしれない。大政大臣にまでなれた理由も何となく分かった気がする。



私は少しだけ麻呂さんの事を見直したのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ