315.眞美との思い出作り
第315話
「さて、眞美ちゃん?少し話が長くなってしまいましたね...今から中に入りましょう。これ以上、外にいたら店内での時間も減ってしまいますし...」
「あっ、そうですね...話すのに夢中で時間は有限だって事をすっかり忘れてしまうところでしたよ...」
気づけば10分くらいはクラウンモールの入口で眞美ちゃんと話をしていただろうか?互いに話に夢中になりすぎて時間が経っていくのを忘れちゃってたよ...
「...とりあえず、早く店内を回りましょうか。私は眞美ちゃんが行きたいところへお供しますが...どうしますか?」
「えっ、私の希望を聞いてくれるんですか?だったら、まずは...」
こうして、私と眞美ちゃんのクラウンモールでの二人っきりのデート?が幕を開けたのだった...
・・・・・
私と眞美ちゃんがクラウンモールを巡って数時間が経った。
「あっ、玲奈先輩。今からちょっと休憩にしませんか?その...お腹もすいてきちゃったので...」
「おや...もうそんな時間でしたか...」
ふと時間を確認してみると...12時をとっくに過ぎていた。私は眞美ちゃんと店内を回って買い物を楽しんだりするのに夢中で時間を確認しそびれていたようだ。
「えぇ、構いませんよ。ちょうど近くにフードコートがありますのでそこで昼食にしましょう。次の予定は昼食を終え次第考える事にしますか。」
「はいっ!了解です!」
そんなわけで私と眞美ちゃんは近くにあったフードコートで休憩する事にした。
「えっと...昼食はどうしましょう。何か食べたい物はありますか?」
「う~ん、そうですね...そうだ!私はカレーライスにしておきます!ここのカレーライスはとても美味しいと憩美ちゃんや敦鳥ちゃんからも聞いていますので!」
「なるほど、そうですか...でしたら、私もカレーライスにしましょう。」
普段は自分で注文しに行く事が多い私だが今回は同行していた護衛の人の一人が二人分を頼みに行ってくれるという事なのでそのご厚意に甘えておく事にした。
「そうです。待っている間、せっかくですから普段の憩美ちゃんについてとかいろいろ教えていただけませんか?」
「もちろんです!憩美ちゃんはですね...」
そして、眞美ちゃんは憩美ちゃんの普段の様子や一緒に遊んだ時の事、ポンコツをやらかしてしまった時の事、辛い時に励ましてくれた事など...たくさん語ってくれた。
中でも一番気になったエピソードはというと...
「なるほど、眞美ちゃんは最初は憩美ちゃんの...というよりかは島津家についての事情を正確には理解していなかったと...」
「そうなんです!親から明成学園にはたくさんのお坊ちゃんやお嬢様がいるみたいな話はされていたんですけど...所詮は同い年の子ども同士だから普通にフレンドリーに接していれば仲良くなれると思ってました。そして、後で何となく憩美ちゃんの家についてクラスメート達に聞いてみた結果、島津家がどれほど凄い家なのかを知っちゃったんです。」
「感覚の違いというものですね...ちなみに知った時の感想を聞かせていただけますか?」
「ヒヤヒヤしましたよ!島津家のご令嬢様に一般生徒でしかない私があんなに馴れ馴れしく接して良かったのかなって...ですが、憩美ちゃんは私を咎める事はありませんでした。むしろ、喜んでくれていたんです。」
ミラピュアでの島津憩美というキャラはブラコンという可愛い部分こそあったが、基本的には一般生徒に馴れ馴れしくされるのを好んだりするようなタイプではなかった。逆にそういう礼儀には厳しい一面もあったくらいだ。
しかし、この世界では私が早い段階で教育をしていたおかげで憩美ちゃんも一般生徒に対してもかなり寛容な性格になっている。眞美ちゃんからすれば幸運だったに違いない...
「...玲奈お嬢様、眞美お嬢様。お二人のカレーをお持ちしました。」
「あっ、ありがとうございます。」
「カレーライスお待ちしてました~!」
そんな事を思っていると先程の護衛の人が私達のカレーライスを持って戻ってきた。
「では、いただきましょう。」
「はいっ!いただきま~す!」
こうして、私達は楽しい昼食の時間を迎えた。そして、昼食の時間を終えた後は再び二人でクラウンモールでの時間を満喫して一日を過ごしたのだった。
あっ!余談だけど...
「質問なんですけど...どうして玲奈先輩は憩美ちゃんにパソコンやコンピューター類に極力触れちゃいけないって言っているんですか?憩美ちゃんも気にしているそうで...」
「えっと、それは...」
この質問の返答にはとてつもなく困ったのは言うまでもない...




