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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部5年生編
313/317

309.具美の心情


第309話



「それで...話したい事なのですが...」



「陽菜の事ですか?」



「えっ?どうして分かったのですか?」



半分ばかりは勘だったが私の予想は当たりだったようで具美は驚いていた。



「あなたの性格上、夜の語り合いをするなら陽菜も起こすのでは?と疑問に思いまして...」



「不覚でしたわ...」



「あの...悔しがる暇があったら、さっさと本題に入っていただけませんか?そうじゃないと私は眠気に負けて寝てしまいますよ?」



「あっ、そうでしたわね。すみません...」



私の脅し?に屈した具美は意を決した表情で話を始める。



「玲奈様は私と陽菜ちゃんの初対面時の事を覚えていますか?」



「もちろんです。3年前の夏休みのお泊まりの時ですよね。」



「そして、その時の空気が最悪だったのも覚えていますか?」



「あぁ~、もちろんですよ...」



忘れるはずがない...えっ?何がいけなかったのかって?それは至って単純な話だ。



「まさか、あの玲奈様が私に()()()()()()()なんて...当時はビックリでしたわ...」



「妹の存在を隠して一人っ子の振りをしていた事については何度も謝っているはずですよ?その...見栄というか、当時の私には陽菜の姉だと胸を張れる自信がなかったみたいな?とにかく、そんな感じだったんですよ。」



実は私と具美の初対面は4年前の春、私の明成学園入学が目前に迫っていた時だった。



その際に色々あって打ち解けた私達はお互いの家族の話をしていた時、具美に『玲奈様は妹はいないのですか?』と聞かれたのだが...



(だって!あんな展開を事前に予想できるわけないじゃん!)



さっきも言ったように時系列は4年前の春、要するにこの時点の私は陽菜とはまだ出会えていなかったのだ。そのため、『私は一人っ子ですよ。』と即答してしまったのだ。



その結果、具美は『私が玲奈様の妹になってあげてもいいのですよ!』みたいな事を言って一時期は私をお姉様と呼ぶくらいにまで慕うようになったのだ。当時の私の方も莱們ちゃんという前例があったためか、お姉様と呼ばれる事に悪い気はしなかった。



...ところがだ。陽菜が家族に加わった事で状況が一変する。彼女の素性を徹底的に隠すために父が【岩倉公爵家の次女】という形にしてしまったせいで結果的に()()()()()()()()()事になってしまったのだ。



陽菜の存在を3年前の夏休みのお泊まりで知る事になった具美は案の定、私の事を嘘つきと罵った上に陽菜の事も散々に罵倒していたっけ...



「その...それについては何度も謝っているはずですよ?まさか、今になって蒸し返すつもりですか?」



「いいえ、そんなつもりはありませんわ...ですが、気になりませんか?私と陽菜ちゃんがどうやって和解する事ができたのか...」



「それは...」



あの後、ショックのあまりに屋敷を飛び出していった具美を陽菜が追いかけていって...で、しばらく経って戻って来た二人はすっかり仲良くなっていたのは覚えている。



だけど、どうやって和解できたのかは『秘密』という事で当時は教えてもらえなかったのだ。



「まぁ、少しは気になるかもしれませんね...どうやって仲良くなったのか...」



「ですわよね?でしたら、私が教えてさしあげますわ...」



「えっ?いいんですか?確か、二人だけの秘密って...」



「...ですので、陽菜ちゃんには秘密にしておいてくださいね?」



そう私に口止めすると具美は当時の事を語り始めた。




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