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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部5年生編
312/317

308.1日の振り返り


第308話



具美の部屋で三人で遊び始めてから時間が経つのはあっという間だった。



「くっ~!また負けたのですわ~!少しは手加減してくださいまし~!」



「ご生憎様ですが...私は陽菜相手ならともかく、あなた相手に接待プレイをするつもりはありませんからね。」



「やれやれ、玲奈お姉ちゃんも容赦ないんだなぁ...まぁ、私も具美お姉ちゃんに一切手加減してないけどね。」



「ううっ!本家のお嬢様方は腹黒姉妹ですわ~!」



テレビゲームでなぜか具美の敗北が続いた結果、執拗にゴネられたり...



「うんうん!具美お姉ちゃんってやっぱりバイオリンが上手だね~!玲奈お姉ちゃんもそう思うでしょ?」



「そうですね。風の噂では何度もコンサートに呼ばれているくらいですし...流石にこればかりは文句の付けどころがありません...」



「ふふん!二人ともどうでしたか?これが私の真の実力なのですわ!」



具美の見事なバイオリンの演奏を聞かせてもらい、あまりの上手さに姉妹揃って魅了されたり...



「へぇ~!これ面白いね!こっちではこんなアニメが放送されてたんだ~!」



「それにしても、向こうでは放送されてないなんて意外ですわね。面白いのにもったいない...」



放送局の都合などから普段は観れないアニメに思いっきりハマったり...



「...それで~!美空と麗瑠は相変わらず私の事を名前で呼んでくれなくて~!」



「まぁ、今は無理だとしても...これから今まで以上にどんどん仲を深めていけばまだ可能性はありますよ。」



「そうそう!私もそうやって美冬ちゃんに下の名前で呼んでもらえるようになったからね!」



「アドバイス感謝ですわ!何とか頑張ってみますわ!」



「その意気だよ!」



具美の友人関係に対する相談に乗ってあげたり...



...と、そんな感じで時間はどんどん過ぎていった。



「具美お嬢様に本家のお嬢様方、お食事の用意が終わりました。」



「分かりましたわ~!」



具美の家の使用人の言葉に私が具美の部屋の窓から外を覗いてみると空が暗くなっているのが分かる。気づけばもう夜になっていたらしい...



「では、食事に行きますわよ~!」



「はいはい、引っ張られなくても行きますって。」



「わ~い!具美ちゃんの家の夕食楽しみ~!」



振り返ってみれば今回の具美の部屋での一時も悪くはなかったと感じる私なのであった...













・・・・・


あの後、食事が終わって入浴も済ませた私達は具美の部屋で就寝していた。ちなみに就寝する際も陽菜と具美が枕投げをしたりして中々眠ろうとしなかったのは秘密だ。最終的に私が二人に寝不足は明日の予定に悪影響を及ばすと忠告した事でやっと静かになってくれたぐらいだし...



「今日はドタバタな1日だったなぁ...」



隣でスヤスヤと眠っている陽菜と具美を眺めている私の口から思わずそんな独り言が出てしまった。



京都にやって来て...外部貴族の皆さんのパーティーに参加させてもらって...後は分家である具美の家にお邪魔させてもらって三人で一緒に遊んで...



振り返ってみれば中々に充実した1日だった。



(さて、私もそろそろ眠らないと...)



明日も早いので寝不足にならないようにと私が眠りにつこうとした時だった。



「...ん、おやおや?玲奈様も起きていたのですね...」



「いや、起きていたというよりかは私が眠ろうとしたタイミングであなたが起きただけですね。もしかして、眠れないんですか?」



「なっ...いいえ、私は眠ってなんかいませんわよ?こっ...この私の見事な狸寝入りに騙されるなんて玲奈様も案外鈍いですわね...」



さて、どうだか...私の見た感じだと完全に寝ているようにしか見えなかったけど...あれで狸寝入りなら演技力も良いところだ。まぁ、それを指摘するのも面倒で時間の無駄になりそうだからそういう事にしておいてあげるか...



「はいはい、そういう事にしておきます。じゃあ、私はこれから寝ますので起こさないでくださいね...」



「ちょっと待つのですわ!」



「こらっ、声が大きい...陽菜が起きちゃうでしょ...」



「あっ、すみませんですわ...」



幸いにも陽菜の眠りは深いようで今も私の隣でスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていたからいいものの...こんな夜中に大声を出さないでほしいものだ。



「...それで?まだ私に何か?」



「実は...玲奈様とお話がしたいのですわ...」



「お話?それなら話す機会はいくらでもあったではありませんか...」



「違うのですわ...夜に二人っきりでこうやって布団の中で雑談をするのもお泊まりの醍醐味ですわ...」



(確かにお泊まりではそういう事をする場合もあるんだろうけどさぁ...それはあくまで明日の予定に余裕がある時にするものじゃん...)



睡眠不足を危惧した私はその提案を断ろうとしたのだがその時、具美の表情が至って真剣である事に気づいた。



その表情を見てもしかすると具美には陽菜や両親達の前では話し難いくらいの真剣な話があるのでは?と思ってしまう。



「仕方ありませんね。ただし、寝不足にならないように10分だけ...それに加えて小声で会話する...この条件を守ってくれますか?」



「玲奈様...もちろんですわ~!」



「声...」



「うっ、申し訳ございません...」



そんなわけで?私と具美の夜の語り合いが始まったのだった...




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