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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部5年生編
309/320

305.具美と取り巻き女子


第305話



パーティーが始まってしばらくしても私と陽菜は落ち着く間がない。



「岩倉玲奈様!お会いしたかったです!」



「玲奈様の名声はこちらでもお聞きしていますよ!」



「これはこれは...どうもありがとうございます。」



こういう大きな場で外部貴族の皆さんと交流するのは初めてだった事もあってか、私との仲を深めようと声をかけてくる同年代の女子達が続出していたのだ。



ちなみに男子達は遠巻きでその様子をチラチラと見ているだけだ...これはちゃんとした理由があって最初に下心満載の男子がうっかり私にセクハラ発言に近い言葉を吐いてしまった結果、それに激昂した女子陣に袋叩きにあったのだ。それからというものの、女子達は私に男子が近づこうとすると集団で無言の圧を出して追い返していた。



...で、今のような状況が出来上がったというわけだ。ちなみに大人達は別の部屋で交流しているため、止めに入る者もいなかった。



「陽菜様!やはり、可愛いです~!」



「本家岩倉家の美人姉妹と出会えた事が一生の幸せです!」



「陽菜様!もし良ければ私とご一緒させて...」



「あっ...えっと、わざわざありがとう...ございます?」



陽菜の方も外部貴族の皆さんの様子に少し引きながらもそれなりに上手く対応できているようだった。もちろん、私と同様に陽菜の方にも男子は来ていない。



「それで~!今日は玲奈様が家にお泊まりに来る予定でして...そうですわ!二人も招待いたしますわ!」



「あの...岩倉具美様、それは流石にですね...」



「そうですよ...よりにもよって今日、具美様の屋敷に私達がお邪魔するわけにはいきませんよ...」



「お固いですわね~!それと、いい加減に二人には私の事は『具美ちゃん』と呼んでほしいですのに...」


一方の具美はなぜか美空ちゃんと麗瑠ちゃんまでもをお泊まりに誘っていて当然ながら二人から困惑されていた。



(...ん?待てよ?そういえば...)



近くで繰り広げられている具美と美空ちゃん、麗瑠ちゃんの絡みを見てふと私は三人の関係性を思い出した。



(この二人はミラピュアの具美の取り巻きの子達だったよね?)



五条美空と粟田口麗瑠...この二人はミラピュアでは岩倉具美の取り巻きをしていた令嬢達だった。



ミラピュアでは玲奈お嬢様とその取り巻きの場合とは違って具美と取り巻きの関係性は明確には描写されていなかった。さらに複数人の取り巻きがいた玲奈お嬢様とは違って具美の取り巻きはこの二人だけだった。



そもそも美空ちゃんと麗瑠ちゃんもミラピュア本編では名前すらも明かされておらず、しばらくして発売された『ミラピュアキャラ紹介ブック』という攻略ブックに比べたらマイナーだった雑誌内での記載にてようやく明らかになったくらいだった。だからこそ、私も思い出すのに少し時間がかかったのだ。



数少ない情報はさっきも言ったように具美が取り巻きの事は本当に友達だと思っている事や自らを慕ってくる人には優しい事ぐらいだ。これらを踏まえての推測になるけど最初は打算込みで近づいてきた美空ちゃんや麗瑠ちゃんも月日が流れるにつれて具美に本当の友情を感じるようになった...的な感じかな?



「それは恐れ多いですって!分家とはいってもあの岩倉家のご令嬢なのですよ?同じ子爵令嬢とはいえ、気安く接してはいけないと父からも言われていますし...」



「私に至っては男爵令嬢ですよ?子爵令嬢の美空でも無理なのにそれなら私なんて尚更無理ですよ!」



「あら?でもそれを言ったら美空と麗瑠は子爵令嬢と男爵令嬢の垣根を越えた友人ですわよね?その枠に私も入りたいのです!」



ちなみに今の具美は初対面時の私の影響を受けたせいか、自分よりも家格が劣る相手とも積極的に仲良くなろうと声をかけに行った結果、たくさんの友達もできたようだ。それでもまだ流石に『ちゃん』付けで呼んでくれる人はいないらしい。



(まぁ、この世界の具美は近いうちに美空ちゃんや麗瑠ちゃん...それに他の子達とも本当の友達になれそうだね...)



私はそう思いながら具美と美空ちゃん、麗瑠ちゃんのやり取りを見守っていたのだった...




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