302.日本の古都へ
お久しぶりです!今日から再開します!
第302話
「飛行機の時間は長かったけど、ついに京都に到着だね~!」
「やはり、日本の古都は本当にいい眺めですね。」
ゴールデンウィーク2日目、今日は岩倉一家揃ってこの国の古都である京都に来ている。いわゆる家族旅行ってやつだ。
「ほらほら~!皆も早くこっちに行こうよ!」
「こらこら、ダメよ?迷子になっちゃうわ。」
「急かされなくても私達も向かっているから安心しなさい。」
初めての京都旅行に興奮してウキウキした様子で急かす陽菜を父と母が窘めている。
「それで、お父様...まずは観光から始めますか?それとも分家や外部貴族の皆様へのご挨拶の方が先でしょうか?」
「そうだね...本当なら玲奈達の気持ちを優先してあげたいところだけど向こうの都合もあるからなぁ...それは電話して確かめてみるからとりあえずは近くの休憩所まで歩くとしようか。」
「そうですか、分かりました。」
そんなわけでしばらく歩いて休憩所に到着した私と陽菜は父の電話が終わるまでしばらくそこで待つ事になった。ちなみに母は休憩所に着くなり、トイレに向かったので必然的に私と陽菜が残される形となる。
「ねぇねぇ!玲奈お姉ちゃん!私は金閣寺に行ってみたいな!」
「良いですね。あっ、留守番の姫香にお土産を買ってあげないといけませんね...」
「私も醒喩さんとフィクサーにお土産を買ってあげよ~っと!」
陽菜が無邪気にはしゃぐ様子を私は複雑な気持ちで見守っていた。
(ダメだ...せっかくの楽しい家族旅行だというのに今でも萌留ちゃんの話が頭に浮かんじゃうよ...私に対する嫉妬だけで陽菜があそこまで変わっちゃうなんて...)
嫉妬は人を変えるとも言うが、気に入らない事があれば例え友人であっても実力行使に出てしまうほどにまで陽菜が変わってしまった事に私は少しばかりのショックを受けていたのだ。
(私は陽菜との向き合い方を変えないといけないのかな?それとも...)
普段は頭が良いのに自分の事になってしまうと思考が定まらないのは私の悪い癖だ。
「玲奈お姉ちゃん?元気なさそうだけど...どうかしたの?」
「えっ!?いや、何でもありませんよ?」
「嘘だ~!玲奈お姉ちゃんの顔に嘘ってはっきり書かれてるもん!」
やっぱり、私って意外と顔に出てしまうタイプなのだろうか?
「お~い!玲奈に陽菜!予定が決まったぞ。あれっ?母さんはどこだ?」
そんな事を思っている内に電話を終えたのか、父が休憩所に入ってきて声をかけてきた。
「あっ、お母様ならお手洗いに向かいましたよ。」
「そうか。なら、母さんが来るまでは待っておくとしよう。今後の予定については母さんが戻ってきてから話そう。」
「うん!観光に分家の人達...どっちに転がっても楽しみ~!」
「分かりました...」
あぁ、せっかくの楽しい家族旅行なのにこの調子だと何だか先が思いやられちゃうな...




