297.クラウンモール巡りのスタート!
第297話
「じゃあ~!まずは誰が希望するところに行ってみる~?」
「はいはい!とりあえず、最初は私でいいよね!?特に時間とかを考えると私のは早めに済みそうだし!」
「よし、皆もトップバッターは莱們ちゃんでいいかな?」
「そうですね、私は特に順番に拘っていませんので別に構いませんよ。」
「YES!滓閔もまさに完全無欠の異議なしでございま~す!」
「まぁ、私のは時間的に一番最後でいいかな。その方が都合がいいし...」
今回は事前に莱們ちゃん、萌留ちゃん、滓閔、美冬ちゃんの四人がそれぞれ行きたい場所を選んで交互に皆で行き合うという形になっている。
これは以前、クラウンモールに来た時にどこから見て回るかや単独行動をしていいか否やでメンバー内で一時は喧嘩になりかけた経緯があるので同じ過ちを繰り返さないためのものだ。
「それなら決まりだね!トップバッターの莱們ちゃんよろしくお願いしま~す!」
「オッケー!私が行きたいのはすぐそこにあるあの洋服売り場よ!さぁ、行くわよ皆!」
幸いにもトップバッターの莱們ちゃんの選んだ洋服売り場が私達が集合した入口から近かった事もあり、私達はそう歩く事もなく洋服売り場にたどり着くと早速自分に似合う服がないかを見て回った。
「う~ん、滓閔ちゃんはこの服が似合いそうだね~!」
「なるほど、逆に萌留ちゃんはこういうのが似合いそうですね。」
「じゃあ、玲奈お姉ちゃんはこれで!結構似合うと思うよ!」
「はいはい...」
私は別に新しい服が欲しいとは思っていなかったが、せっかくなので陽菜から勧められた服を買っておく事にした。
そんな感じで全員それぞれが欲しい服を選び終わった。
「陽菜が選んだ可愛い系の服、莱們ちゃんが選んだお嬢様らしい服、萌ちゃんが選んだアイドルっぽい服、滓閔ちゃんが選んだ不思議ちゃんっぽい服、美冬ちゃんが選んだ質素な服...どれも個性が溢れていて素敵ですね。」
「へへっ!玲奈お姉ちゃんに褒められると嬉しいな!」
「玲奈様の服こそ完全上品のキラキラ☆ザ・お嬢様って感じです!」
「滓閔が何を言っているのか分かりませんが、玲奈お姉様の選んだ服も素敵というのには同意ですね。」
「その...私だけ褒められているような感覚がしないような気がしますが...」
互いの選んだ服の感想を語り合う中、萌留ちゃんが一瞬だけため息をついたのを私は見逃さなかった。
(...ん?萌留ちゃん、疲れちゃったのかな...あれ?でもそんなに歩いてはないよね?)
仮に萌留ちゃんがいくらスタミナがないにしても、流石にまだ疲れてしまうほどの距離は歩いていない。つまり、ため息の原因は別にあるという事になる。
「じゃあ、次は誰の番にする?」
「滓閔はまだまだお譲りしますよ~ん!」
「さっきも言ったように私は一番最後でいいかな~。」
「では、消去法で私になりますが陽菜ちゃんも玲奈様もよろしいですか?」
どうやら、次は美冬ちゃんが選んだ店を回る形になりそうだ。正直、どういう順番でいくかで喧嘩になっちゃうかも?と少し恐れていた私だったが意外にも杞憂だったようだ。
「えぇ、私は構いませんよ。美冬ちゃんがどこを選んだのか楽しみです。」
「決定だね!それでは美冬ちゃん、よろしくお願いしま~す!」
「えっと、私が選んだのはですね...」
私達のクラウンモール巡りはまだまだ続く...




