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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
幼少期編
3/290

1.急に前世の事を思い出してしまいました...

新たに悪役令嬢モノを書いていこうと思います。これからもよろしくお願いいたします!


第1話



「うっ...うん?」


「あっ!玲奈お嬢様...!お気づきになられたのですね!?ほんとに...本当に良かったです!」


「ううっ...あれっ?なに...というか、ここは?」



私の名前は岩倉玲奈いわくられいな。岩倉公爵家という名家の家に生まれたお嬢様である。


岩倉家は公家としての家格自体は羽林家でしかなく、本来であれば公爵になれるような家柄ではない。しかし、とあるご先祖様がかつて大きな功績を残したという部分が評価された事で今の公爵としての爵位を授かった家なのだ。


そんな裕福な家庭で生まれた私はいつものように朝食を終えて、屋敷にある階段をかけ上がって自分の部屋に戻ろうとしていた...



...ところがだ。



「あっ...きゃっ!」


何と私は誤って足を踏み外してしまい、階段から転げ落ちてしまったのだ。


「あっ!玲奈!!」


「玲奈お嬢様!?」


それを目の当たりにした家族や使用人達が慌てて私のもとへ駆け寄って来ているのが分かった。


「しっかりして!」


「おいっ!早く玲奈の手当てをするんだ‼」


「何してるんだ!急げ!」



みんなの心配する声を聞きながら私は完全に意識を手放していったのだった...





意識を失っている最中の事だ...


私の頭の中にとある映像が流れ込んで来た。それはごく普通の一軒家でなにやらゲームをプレイしている眼鏡をかけた少女の姿だった。最初はただの変な夢だと思っていたのだが、次第に私は妙に懐かしさを感じてしまったのだ。


そして、その少女がプレイしているゲームの画面が映る...



すると、どうだろう?



何とそこには驚くことに()()私自身が映っていたのだ。



その瞬間、私は前世での記憶を完全に思い出した...



前世の私は生まれつき重い心臓病を患っていて、学校にもなかなか通う事ができず友達も作れなかった。もちろん、運動なんてできない...医師からは長くても15歳までしか生きられないだろうとまで言われた。


そんな、お先真っ暗な私に唯一といっていいほどの希望を与えてくれたもの...それがゲームだった。ゲームを初めてプレイしたのは7歳の頃。ろくに学校にも行けずに落ち込んでいる私がひもじい思いをしないようにと配慮した父が買ってきたものだった。気づけば私はすっかりゲームに夢中になっていった。


ゲームをしてる時は辛さも悲しさも不思議なほどに感じなかった。ある時には両親や妹とも一緒になって、いろいろなゲームをプレイしたっけ...


時には笑いあったり、時には喧嘩したりもするけどこの日常は悪くなかった。もしゲームと出会えなければ一生さみしい思いをしながら生涯を終えることになっていただろう。


私は長くは生きられない...でも、この家に生まれてこれて本当に良かった。そんな生活を続けて8年。私が15歳の誕生日を迎える3日前の事だった。


この頃には私の体調は著しく悪化しており入院生活を送っていた。お医者さんからはいつ死んでもおかしくないと言われていたっけ...


そんな中で、私はとある1つのゲームに夢中になった。それは「さらっとミラクル⁉ピュア少女の下剋上奮闘記げこくじょうふんとうき」...略して『ミラピュア』という乙女ゲームだった。


自らに残された時間が少ない事を悟っていた私はこのゲームの全ルートクリアを人生の最後の目標にしていた。



(そうか、私はあのゲームをクリアした後...)




最後の執念で全ルートでヒロインが無事に攻略対象と結ばれて目標を達成できたその瞬間に私は力尽き、その生涯を終えた...



...はずだったのだ。



「まさか、こんな事が...」


「玲奈お嬢様?」


「あっ、いいえ!何でもありません!」


よりにもよって、あの玲奈お嬢様に転生してしまうとはねぇ...私の目の前にいる使用人、平田姫香ひらたひめかにさえ裏切られちゃうほどの極悪な令嬢に。


まぁ...いくら使用人とはいえ、ミラピュアの玲奈お嬢様の姫香の扱い方は酷すぎたから自業自得ともいえるんだけど...



あぁ...運命という物は、どうしてこうも無慈悲で残酷なのだろうか?




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