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ミラピュア~破滅回避への物語  作者: たかくん
初等部4年生編
288/319

285.謎多きクリスタリアパレス


第285話



陽菜の悪魔のようなあざとくて悪い笑みを見た瞬間、私は不覚にも陽菜に騙されてしまった事に今更ながら気づいたが、もう手遅れのようだ...



(やれやれ...純粋だった陽菜が何でここまで悪い子になっちゃったんだろう?)



もちろん、それが自分のせいだとは露知らずの玲奈なのだが...



「さぁ!今から玲奈お姉ちゃんには私から絶対に離れずにアトラクションを回ってもらうからね!」



「あっ、それだけで良いんですか?」



「うん!私はあくまで本来なら玲奈お姉ちゃんを独り占めするはずだった時間をこれから取り戻したいだけだもん!別に何かを命令したいわけじゃないんだよ?」



思っていたよりかは許してもらえる条件が簡単だった事に私は安堵すると同時に何だかんだで陽菜はやっぱり優しいのだと先程の評価を改めた。



「それで?陽菜は今度はどのアトラクションをご希望なのでしょうか?」



「じゃあ、次はジュエルホラータウンで!いいよね?玲奈お姉ちゃん!」



「ジュエルホラータウンって...」



ジュエルホラータウン...簡単に言うなら宝石でできたお化け屋敷だ。しかも、かなり怖いとかいう...



正直に言わせてもらうと、あそこは私がクリスタルアイスシティーで絶対に行きたくないアトラクションのトップ5に入っているのだ。



とはいえ、今になって陽菜が行きたがっているのに断りたくはないし、陽菜との和解に水を差したくもない。



どうやら、ここは腹を括るしか私に選択肢はないようだ...



「はぁ...分かりました。あそこは怖いから本当は嫌なんですけど...陽菜が行きたいのなら先程の謝罪も兼ねて同行しますよ。」



「やったー!たまには春休みのホラーも悪くないもんね!」



こうして、覚悟を決めた私は陽菜と共にジュエルホラータウンへと向かったのだった...













・・・・・


「あ~!面白かった!ちょっとだけ...怖かったけど楽しかったね~!」



「ちょっとって...私からすればかなり怖い方だと思ったんですけどね...」



ジュエルホラータウンは精神年齢が中学生の私からしてもそれなりに怖いタイプのお化け屋敷であり、陽菜がいなかったら情けない悲鳴をあげていたかもしれない...ある意味、私は陽菜の怖い者知らずさを尊敬している。



「さて、次に陽菜が行きたいアトラクションは...」



どこですか?と私が言いかけた時だった。



「...ん?」



「玲奈お姉ちゃん?」



どこからか、謎の気配を感じた私がその方向に視線を移すとそこにはクリスタルアイスシティーの目玉ともいえるクリスタリアパレスがそびえ立っていた。



「クリスタリアパレスじゃん!早く入ってみたいな~!工事はまだ終わらないのかな?」



陽菜が言っている通り、あれから3年が経過した今もクリスタリアパレスの工事は終わっておらず、未だに立ち入りが禁止されている。



しかし、そんな場所から私がなぜ謎の気配を感じてしまったのか?それが一番の謎なのだ。



「玲奈お姉ちゃん、クリスタリアパレスがどうかしたの?」



「あっ、いいえ!特に何もありませんよ!?クリスタルアイスシティーの目玉というだけあって少し気になっただけでして...」



「そっか!じゃあ、気を取り直して次のアトラクションに行こうよ!次は...」



「はいはい、そんなに急がなくても...」



そうして、私はクリスタリアパレスを離れようとしたのだが、



(うっ...何?)



その瞬間、クリスタリアパレス中央のダイヤモンドが一瞬だけ紫色に光り、それを見た私は軽い頭痛と吐き気に襲われた。最も、陽菜にこれ以上の心配をかけたくないので口には出さなかったが...



(全く...この遊園地は私と何かしらの関連性でもあるのかな?)



私の中でそんな考えが浮かんだのはこの日だった...




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